平智之の活動ブログ

2012年2月

核燃料再処理施設(六ヶ所村)の視察

2012年2月28日 20:40

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●昨晩から六ヶ所村へ
一昨日(日曜)は京都市内で国政報告会と街頭演説を行い、そのまま青森に飛びました。大雪で厳寒の青森に夜8時過ぎに到着。空港バスで宿泊予定のホテルに近い停留所へ。ホテルまで通常は徒歩15分だそうですが雪道で半時間ほど歩いて凍えました。

●日本原燃の核燃サイクル事業を視察
昨日(月曜)は朝一番から日本原燃の核燃サイクル事業の施設を視察。この施設は「使用済み燃料の再処理」だけではなく、原料から再処理そしてMOX燃料製造までの7つの事業で構成されています。(1)ウラン濃縮事業(2)低レベル放射性廃棄物埋設事業(3)高レベル放射性廃棄物貯蔵管理事業(4)使用済燃料受け入れ貯蔵事業(5)再処理事業(6)MOX燃料製造事業(7)輸送事業です。

●はじめから終りまで
ウラン(6フッ化ウラン)を輸入して⇒濃縮して⇒燃料製造して⇒使用済みを回収して⇒貯蔵して⇒再処理して⇒MOX燃料製造して、という流れです。まさに、はじめからおわりまでなので、再処理だけではありません。

●年間の予算は約3,000億円
この事業の収入は、私たちの電気代に薄く広く(総括原価方式)載せられている料金の一部が電気事業者を経由して年間で約3,000億円です。排出される使用済み核燃料の重量が基準となって自動的に支払われる仕組みとのことで、税金と同じ構造です。

●核燃料サイクルの可否
私は一貫して核燃料サイクルの妥当性に疑問を投げかけてきました。施設を見て、専門家の説明を聞いても、その疑問は変わりません。六ヶ所の前には東海村の再処理施設も視察しました。東海村よりさらに高度な施設でしたが技術の進歩が説得力になりません。そもそもの考え方に瑕疵があるからです。

●挙証責任を反転へ
最終処分の場所が国内に存在し得ない。ガラス固化体の製造技術が不定。TRU(高濃度放射性廃棄物)の数万年管理がナンセンスなど数多くの疑問。しかし、すべてについて原燃も経産省も「場所がないとは断定できない」「技術的に不可能とは断定できない」という「とは言えない」の構造。「だめだと言うなら証明してみて」と挙証のボールを国民に渡すのです。逆です。挙証責任は原燃と経産省にあります。「ある」「できる」と断定できない限り、「ない」し「できません」。

●しかし再処理以外は極めて重要
再処理への疑問は引き続き追及します。しかし再処理ではなくて最終処分は未来に向けて必須の技術となります。六ヶ所施設の中心はガラス固化体の製造工場ですが、実はガラス固化体製造以外の部分が極めて重要です。

●中間貯蔵と低レベル廃棄物の保管
六ヶ所村には高濃度放射性廃棄物を30~50年貯蔵して崩壊熱を少し冷ます中間貯蔵の施設があります。これがないと地層処分できません。必要な技術です。また地表近くのピットやトレンチで保管する低レベル(と言っても極めて高い)廃棄物の管理技術も必須です。NUMOやランデックとともに、さらなる技術開発を求めていかなければなりません。再処理以外の技術は未来に必要だと考えます。

●汚染を盾に数万年の事業
ただし、必要だと言っても決して夢の技術ではありません。汚染を盾にした脅しの理屈です。「こんなに汚れてるんだから片付けるしかないだろう」という脅しです。似た構造が金融にあります。Too big to fail(大きすぎて潰せない)です。本来なら債務超過で潰れるはずだが、潰したら連鎖倒産等の負の影響が大きすぎて潰せないという事態を指します。東電の実態と同じです。これを原発産業にたとえるとToo dirty to finish(汚染されすぎて終われない)です。最終処分技術の研究開発を止めたら1万数千トン(ウラン重量で見ると広島原爆の数十万発分)もの使用済み核燃料がほったらかしになります。許されないのです。やるしかないのです。それでもまだ汚そうとする(原発を継続して使用済み燃料を出し続ける)のは、さらなる事業量の確保を生み出す意味で、極めて罪深い産業と言わざるを得ません。

日本人がはじめて創った色

2012年2月24日 20:16

松栄堂の香.jpg


●真朱(まそほ)の赤

本日も原発事故収束、東電問題、予算・決算透明化に加えて様々な問題に取り組みました。そんななか、午後1時間ほど真朱(まそほ)と呼ばれる色を見るためにホテルオークラへ行きました。「真朱(まそほ)の夜明け」という東日本大震災復興のチャリティーイベントです。


●空に滲みだしてくる朱色

染織作家の吉岡さんによると、日本人がはじめて創った色が真朱(まそほ)なのだそうです。夜明け直前の太陽光の色。縄文や弥生の太古の夜明け前は、当然電気などないですから漆黒の闇。その暗闇から太陽の光が空に滲みだしてくる色だと言われれば想像できます。その色を真朱(まそほ)として創りだした、とのことです。金赤とか紅赤ではない、自然の顔料で創る赤です。


●名家の逸品に用いられる朱色

会場には、近衛家、徳川家、伊達家、観世家、千總西村家、永楽家、蜂谷家が所蔵する逸品が展示され、その作品(振袖、打掛、陶磁器、香盤、陣羽織、象嵌など)のなかに真朱(まそほ)があるのです。


●日本に必要な真朱(まそほ)

このチャリティーイベントの主旨に賛同します。いま日本に必要なのは真朱(まそほ)のように暗闇から滲みだす光だと思います。自然と調和する精神で困難を克服する、それが日本の流儀だと心得てこれからの問題に対処してまいります。自然だから中庸です。ブレたりズレたりせずに真中(正論)を進みます。


●香を焚きました

イベント会場の出口に売店があって、お香があったので香立と一緒に求めました。よく見ると京都の松栄堂さんでした。さっそくパソコンの横で焚きました。自然の力に感謝します。

予算と決算を透明化します

2012年2月23日 20:12

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●予算・決算の透明化
行政改革調査会で予算・決算透明化ワーキングの事務局長を務めています。座長は逢坂誠二衆議院議員(元ニセコ町長)です。かつて町長として予算と決算の透明化を実行されたとのことで、一切ブレずに透明化に突き進んでおられます。21日(火)は、このワーキングで財務省からADAMSⅡ(アダムス・ツー)の説明を受けました。国からの支払い情報がすべて入力されているシステムです。

●年間で2,800万件の登録
鉛筆から巨大プロジェクトまで、すべての支払い情報が入力されていますので、年間では実に約2,800万件の登録となっています。専門用語では"支出負担行為"の登録です。契約と納品(または出来高)をチェックして日銀からの支払いを認める行為を指します。支出負担行為だけでなく、歳入徴収、債権管理、勘定間の繰り入れ等もあり、金額ベースでは約400兆円(一年です!)を扱います。

●予算と決算の突合(とつごう)
歳入予算と決算は主管→部→款→項→目、歳出予算は所管→項→事項→目というように科目・費目が徐々に細分化されていきます。目(もく)には95012-2111-01というような11ケタのコードが振られています。H20年度予算からは予算も決算も「目」でコードが一致するようになっています。予算書と決算書を見ると確かに目(もく)で項目名が一致しており、予算計上したけれども使わなかった分は、翌年度への繰越分を除いて不用額となる様子が明快に見て取れます。

●たとえば議員歳費でみると
平成22年度の予算と決算を見ると、項の001は衆議院を意味し、歳出予算合計は66,269,618,000円(約660億円)となっています。そして、その内訳を目でと突合すると、
95012-2111-01 議員歳費 (歳出予算額)10,288,410,000 (支出済歳出額)10,099,944,590
95012-2111-02 職員基本給 (歳出予算額)8,458,429,000 (支出済歳出額)8,334,963,707
という具合に予算と決算で比べることができます。予算額と支出済額の差額から翌年度繰越額を除くと不用額です。

●しかし目(もく)とADAMSⅡは切れている
ワーキングでは、この目(もく)をADAMSⅡにどのように連結できるか模索しています。(それが必要かどうかも含めて)ご紹介した議員歳費なら目での確認で良いかもしれませんが、たとえば建設工事1件は目(もく)の下の下の下の下の・・・といった具合です。目(もく)からさらに、もっと下の階層まで見ていかないと予算と決算の一貫性を知ることはできません。さらに細かいコードを振るのか?あるいはコード以外の方法(キーワード等)でADAMSⅡの登録支出負担行為から目(もく)が重複なく計算(純計)できるようにするのか?

●そんな細かいことを?
なかには政治家はそんな細かいこと言うな。もっと大きく構えて大きな問題を語れ、という方もおられます。官僚の多くにもそうした思いがあるようです。それは確かに大事なことですが問題はそれぞれです。私が原子力規制行政や八ツ場ダムの問題で取り組んでいるように、非常にミクロで詳細に入らないと改革できないこともあるのです。大きなことには大きく、細かいことには細かく。徹底して追及してまいります。

透明化 財務省8.JPG

政府事故調の徹底調査を追及します

2012年2月15日 21:52

本日、原発事故収束PT(プロジェクトチーム)で政府の原発事故調査委員会(通称:政府事故調)の中間報告内容を聞きました。委員会事務局からの報告です。私からは次の質問をしました。

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●なぜ統合本部が設置されたのか?

事故後、東電2Fに本部が設けられました。吉田所長の現場と東電2Fとを大きなモニターでつないで時々刻々のプラントパラメーターを見ながら東京から現場に指示が出されていました。「統合本部」と呼ばれました。しかし、この組織は法律に依拠していません。原子力災害特別措置法が規定しているのは「対策本部」です。なぜ法律に依拠しない別組織を作ったのか?それは正しく機能したのか?本来は対策本部でなすべき真剣勝負の意思決定を"丸投げ"する機関になっていなかったか?それを裏付けるように、統合本部の議事録はあるのに対策本部の議事録はないとされているのです。議事録がないはずはありません。メモなら当然あるはずです。事故調は統合本部設置の問題を徹底的に追及すべきです。そして議事録(あるはず)を公表すべきです。

●ICを止めたのは正しい判断か?

実は全電源喪失しても炉を冷やすことのできる装置が取り付けられていました。IC(アイソレーション・コンデンサー)と呼ばれます。このICが機能しませんでした。なぜか?報告書は「現場がICの弁を閉じたからだ」と結論しています。しかも、弁を閉じたのは「正しい判断だった」と述べています。本当でしょうか?ICは非常用冷却装置であって、非常時に使わないでどうするのか?この弁を閉じたためにメルトダウンした、と結論しているようなものです。急冷すると熱疲労するからという運転ガイドラインもありますがメルトダウンを起こしていいわけはありません。危機に直面した現場が、はたして燃料棒の溶融を覚悟して弁を閉じられるか?逃げ出したいくらいに緊迫した現場だったはずです。助けてくれ!冷えてくれ!との思いで一杯だったはずです。だから私は別の可能性を検証すべきだと思います。ICの破壊です。地震でICが壊れたいた可能性です。弁を閉じたのではなく、動かしたくても動かなかった可能性です。しかしそれを認めるとストレステストがすべてダメになります。一次も二次も津波は考慮しますが地震による破壊はチェックしていません。事故調は地震による装置・配管等の破壊の可能性を徹底的に調査すべきです。そしてストレステストを変えるべきです。

参考:福島第一原子力発電所1号機非常用復水器(IC)作動時の原子炉挙動解析、平成23年12月9日、独立行政法人 原子力安全基盤機構原子力システム安全部
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/28/004/231209-3-2.pdf

●SPEEDIの結果をなぜ止めたのか?

SPEEDIはデータがなかったので出せなかったと思われがちですが、ちがいます。たとえば飯館村で言うと、どれくらいの量の放射能が飯館村に届いたかは確かに不明でしたが、飯館村まで放射能が届いていたことは初日から判明していました。SPEEDIの単位放出源データです。そもそも原子炉の上部で測定される放射能をSPEEDIの放出源データ(1ベクレルが炉から出たら、どの方角にどこまで飛ぶか?)に代入して、どれくらいの量が、どの方角に、どこまで到達するか?を知るのがSPEEDIです。そのうち"どれくらいの量が"がないだけで、どの方角に?どこまで飛ぶか?は事故直後から分かっていたのです。炉の測定装置の故障とは関係ありません。そして、その単位放出源データは3月11日から官邸に届けられていました。飯館村にもファックスされていたという伝聞もあります。なぜ住民に伝えられなかったのか?誰が、どんな目的で止めたのか?あるいは本当に、そのデータの重要性を知らなかったのか?北西に非難した多くの被災者の被ばくを相当程度減じることができたはずの重大事案です。事故調は初日から官邸に提出されていた単位放出源データの官邸における扱いを徹底的に調査すべきです。

飯館村の除染実証を視察

2012年2月 5日 12:40


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●飯館村へ除染実証の視察に

2月4日(土)は朝一番から飯館村に入りました。除染実証事業の視察が目的です。汚染土壌等を除染する装置を見に行きました。この事業の正式名称は内閣府委託事業「福島第一原子力発電所事故に係る避難区域等における除染実証業務」における「平成23年度除染技術実証試験事業」です。

●移染と除染は違う

「え?まだ試験中なのか?」「除染は進んでいるはずだが」と思われるかもしれません。しかし、いま行われているのは除染ではなくて移染です。散在する汚染された土壌、がれき、落ち葉などが集中保管施設に移動しているだけです。私が視察した場所にも、汚染物がパンパンに詰められた真っ黒の大きな袋が大量にうず高く積み上げられていました。保管しているだけですから、土壌とがれき等の移動に他なりません。放射性物質ではなくて、放射性物質が付着した土壌とがれき等が移動して何箇所かで集中保管されているだけなのです。

●移染では解決にならない

保管と書きましたが、これは仮置きです。うず高い袋の山を作って放置です。これをずっとこのままにしておくことはできません。黒いビニールシートの大きな袋に詰め込んで積んでいるだけですから、いずれ微生物や放射線で袋の素材が劣化して内容物が出てきます。一部は風で飛散し、また一部は水で流出するリスクを持ちます。移染はあくまでも緊急的な対策なのです。

●除染は剥離と減容化

除染で必要なのは減容化です。土壌とがれきは大量ですから容積を減らさなければなりません。減容化と呼ばれます。そして減容化で必要なのはセシウム等の放射性物質を土壌やがれきから剥離させることです。剥離したセシウム等だけを集めて濃度を高めて保管すれば小さな容積で保管することができます。セシウム等が剥離できれば、残余の大量の土壌やがれき等は比較的安全物として扱うことができます。

●まったく新しい装置

以上に述べた剥離と減容化の技術は、世界が必要とする最先端の技術ニーズとなります。使用済み核燃料の処分や廃炉など、世界が過去数十年程で生み出してきた膨大な汚染物質および施設のバックエンドにも有効となりえます。現実にいま目の前に原子力災害の現場を持つ日本が、この分野の技術で世界をリードしないことなど考えられません。日本の使命です。

●国の研究組織から出てこない

日本人はしばしば自分たちが最先端技術を持っていると自負します。私もそうです。でも、それはしばしば高品質化やコスト低減や量産などの応用技術分野であって、まったく未知の領域である場合には足踏みすることもあります。今回の除染技術がそうかもしれません。JAEA(日本原子力研究開発機構)、JNES(原子力安全基盤整備機構⇒原子力規制庁へ)、産総研(元・工業技術院)、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、NIMS(物質・材料研究機構)などなど、除染技術の発明に貢献できそうな大所帯の研究組織があるのに画期的なニュースが出てきません。

●それならば除染技術研究開発機構を

むしろ中小・零細企業で活躍する発明家から挑戦的な発想を聞くことができます。今回の視察で拝見したセシウム剥離装置も中小企業の発明によります。大きな研究組織は、あまりに官僚化(天下り含む)したために、ユニークで挑戦的な発想やアイデアが生まれないのでしょうか。「いかがなものか」「まだよくわからない」「既往研究がない」などと言ってる間に汚染は深刻化します。中間搾取を含めて国からの研究予算の管理だけをするなら、そんな組織は不要です。こういうときこそ思い切って、恥ずかしくてもいいから、大胆な提案と行動を科学者に求めます。さもなければ、野田総理は国内の発明家集団を編成して除染技術研究機構を発足させるべきです。


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