平智之の活動ブログ

政府事故調の徹底調査を追及します

2012年2月15日 21:52

本日、原発事故収束PT(プロジェクトチーム)で政府の原発事故調査委員会(通称:政府事故調)の中間報告内容を聞きました。委員会事務局からの報告です。私からは次の質問をしました。

ICのしくみ.JPG

●なぜ統合本部が設置されたのか?

事故後、東電2Fに本部が設けられました。吉田所長の現場と東電2Fとを大きなモニターでつないで時々刻々のプラントパラメーターを見ながら東京から現場に指示が出されていました。「統合本部」と呼ばれました。しかし、この組織は法律に依拠していません。原子力災害特別措置法が規定しているのは「対策本部」です。なぜ法律に依拠しない別組織を作ったのか?それは正しく機能したのか?本来は対策本部でなすべき真剣勝負の意思決定を"丸投げ"する機関になっていなかったか?それを裏付けるように、統合本部の議事録はあるのに対策本部の議事録はないとされているのです。議事録がないはずはありません。メモなら当然あるはずです。事故調は統合本部設置の問題を徹底的に追及すべきです。そして議事録(あるはず)を公表すべきです。

●ICを止めたのは正しい判断か?

実は全電源喪失しても炉を冷やすことのできる装置が取り付けられていました。IC(アイソレーション・コンデンサー)と呼ばれます。このICが機能しませんでした。なぜか?報告書は「現場がICの弁を閉じたからだ」と結論しています。しかも、弁を閉じたのは「正しい判断だった」と述べています。本当でしょうか?ICは非常用冷却装置であって、非常時に使わないでどうするのか?この弁を閉じたためにメルトダウンした、と結論しているようなものです。急冷すると熱疲労するからという運転ガイドラインもありますがメルトダウンを起こしていいわけはありません。危機に直面した現場が、はたして燃料棒の溶融を覚悟して弁を閉じられるか?逃げ出したいくらいに緊迫した現場だったはずです。助けてくれ!冷えてくれ!との思いで一杯だったはずです。だから私は別の可能性を検証すべきだと思います。ICの破壊です。地震でICが壊れたいた可能性です。弁を閉じたのではなく、動かしたくても動かなかった可能性です。しかしそれを認めるとストレステストがすべてダメになります。一次も二次も津波は考慮しますが地震による破壊はチェックしていません。事故調は地震による装置・配管等の破壊の可能性を徹底的に調査すべきです。そしてストレステストを変えるべきです。

参考:福島第一原子力発電所1号機非常用復水器(IC)作動時の原子炉挙動解析、平成23年12月9日、独立行政法人 原子力安全基盤機構原子力システム安全部
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/28/004/231209-3-2.pdf

●SPEEDIの結果をなぜ止めたのか?

SPEEDIはデータがなかったので出せなかったと思われがちですが、ちがいます。たとえば飯館村で言うと、どれくらいの量の放射能が飯館村に届いたかは確かに不明でしたが、飯館村まで放射能が届いていたことは初日から判明していました。SPEEDIの単位放出源データです。そもそも原子炉の上部で測定される放射能をSPEEDIの放出源データ(1ベクレルが炉から出たら、どの方角にどこまで飛ぶか?)に代入して、どれくらいの量が、どの方角に、どこまで到達するか?を知るのがSPEEDIです。そのうち"どれくらいの量が"がないだけで、どの方角に?どこまで飛ぶか?は事故直後から分かっていたのです。炉の測定装置の故障とは関係ありません。そして、その単位放出源データは3月11日から官邸に届けられていました。飯館村にもファックスされていたという伝聞もあります。なぜ住民に伝えられなかったのか?誰が、どんな目的で止めたのか?あるいは本当に、そのデータの重要性を知らなかったのか?北西に非難した多くの被災者の被ばくを相当程度減じることができたはずの重大事案です。事故調は初日から官邸に提出されていた単位放出源データの官邸における扱いを徹底的に調査すべきです。

●みなさまからのコメント

[12.02.22 09:41] こばやしさん

ダイヤモンドonlineの大前研一氏との対談(前編)を読みました。かなり白熱した議論の様子が伝わってきて、後編が楽しみです。
遅まきながらNature日本語訳も読みました。
最近、原子力問題で頑張っておられるご様子、応援します。

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