平智之の活動ブログ

2012年4月

埋めて忘れて、本当にいいか?

2012年4月23日 15:14

地層処分3.jpg

(瑞浪超深地層研究所の300m地下。エレベータを出たところ。)


●使用済核燃料の最終処分
再処理しようと1回で捨てようと、使用済み核燃料は必ず最終処分しなければなりません。しかも、地下水に触れないように、地上に漏れ出してこないように、数千年から数万年にわたって安全性を確保しなけれなりません。まさに人類史的な管理です。

●瑞浪超深地層研究所を視察
いまのところ世界で安全とされている方法は地層処分です。宇宙は途中の大気圏内で爆発したら地球全体が汚染されるので禁止。海は海洋汚染が深刻なので禁止。結局、許されているのは地上での処分のみ。その地上処分で最も適切な方法が地層処分だとされているのです。さきほど地層処分研究を行う瑞浪超深地層研究所を視察しました。エネルギーPTの使用済み燃料に関するワーキングチーム(近藤昭一座長)です。

●地下300mの研究施設
立てに掘り込んだ坑道で地層処分の研究が行われています。最終的に使用済み核燃料を保管する地下施設の計画や設計のあり方が研究対象です。たてに坑道を掘ることによって周囲の水脈や水質はどうなるか?地盤(瑞浪は花崗岩層)の亀裂はどうか?などを調べています。映画「10万年後の安全」と同じ風景です。

●管理するのか?管理しないのか?
私からは、同席いただいたJAEA幹部、文科省担当者に向けて次の質問をしました。「地層処分は地下深くに埋めて、数万年後に向けて放っておくという技術だ」「それもひとつの選択肢だが、逆に放っておかないで人類が管理し続けるという選択肢も検討すべきではないか?」「管理するのか?管理しないのか?の選択肢だ」

●原子力村の一致した認識
JAEA理事長はそもそも最終処分の研究者でおられるそうで、「散々検討してきた結果として地層処分が選ばれた」「アメリカも北欧もそうであり、地層処分が専門家の一致した認識だ」とのこと。私からは「専門家と言われるが、それはいわゆる"原子力村"ではないか?」「より広い専門分野から検討したらどうなるか、示してほしい」と述べました。「埋めて忘れる」という感覚が腑に落ちません。「埋めてしまえば問題ないから」という"バックエンドの安全神話"ではないか。

●禁忌として引き継いでいく発想
核エネルギーは純粋に科学的・技術的な議論だけでなく、文明論的、思想的な議論が必要です。人類が再び核エネルギーの利用を思い出さないように管理を引き継いでいく発想はないでしょうか。禁忌として。実際、過去の痛ましい公害事件で埋めた毒性の強い廃棄物が、わずか30~40年で再び漏れ出すリスクにさらされています。数万年とはなにか?放射能も化学物質の毒性も人間の一生より長く続きます。次世代に負の遺産を残さない方法が"忘れること"かどうか、再度検討すべきです。核物理やプラントの専門家だけには任せられません。


地層処分2.jpg

(この行き止まりから先も発破で掘り進む)

がれきの広域処理は原発推進と同じ

2012年4月 9日 19:59

宮城がれき.jpg

宮城県のがれき処理現場を視察した際に携帯で撮りました。
タイヤ、木材、洗濯機など、それぞれの分別が整然と行われていました。

●納得できない「がれき広域処理」
がれきの広域処理には納得できません。突然のように国民の協力を要請する新聞広告。「みんなの力でがれき処理」という15段ぶち抜き(全面)広告には恐怖を感じました。

●法律で国民の責務になっていた
菅政権の最後の法律であり細野大臣が所管する「放射性物質環境汚染対処特別措置法」の第6条に次のように定められていました。
『(国民の責務)第六条 国民は、国又は地方公共団体が実施する事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する施策に協力するよう努めなければならない。』
国の施策は「がれきの広域処理」です。つまり「放射能拡散のリスクを国民が受け入れるべき」と法律に書かれていることになります。環境委員会での議論を傍聴すべきでした。まさかこの条文が放射能がれきの広域処理につながるとは。

●23年度の広報予算は9億円
 今回の広報予算を環境省に聞きました。広域がれき処理を国民に要請するための広告費用予算(平成23年度)は合計9億円です。うち2億円が新聞等の広告出稿であり、7億円が普及・啓発活動です。放射能の拡散リスクを普及・啓蒙するという発想自体が信じられません。

●普及・啓発ってなんだ?
約7億円の普及・啓蒙活動の細目は以下のとおりです。
・ポータルサイトの企画・運営
・パンフレット・DVD作成
・コールセンター運営
・研修等の実施
・除染情報プラザの運営等
焼却灰処分予定地の周辺にお住まいで不安をお持ちの方々に、放射能拡散リスクを無理強いするために情報プラザをつくる?パンフレット・DVD?「原発は絶対に安全です」「事故など起こりえません」と普及・啓蒙してきた過去の原発推進政策の構図と瓜二つです。がれきの広域処理は原発推進と同じです。3.11で何を学んだのか。

●こんな環境省が規制庁を?
私はもともと規制庁が独立の三条委員会であるべきだと考えていました。当初の党PTの提案資料にも明記しました。しかし、「原子力村の過ちを2度と繰り返さないために独立は逆に危ない。だから規制官庁たる環境省の下に置くのだ」という政府(内閣官房準備室)の主張に委ねたのです。しかしこれはなにか?環境省は規制官庁をやめるのか。このような環境省に規制庁がぶらさったら余計に危ない。

●がれきの広域処理は即刻中止すべき
政府には環境規制行政の危機(放棄)だと考えていただきたい。低線量被ばくのリスクが不明である放射性物質で廃棄物処理の基本原則「持ち込ませない」「持ち出さない」を外すなどありえません。「測定して少ないモノだけをお願するのだ」も理由になりません。1Bqでも(原発事故由来であれば)拡散は拡散なのです。低線量被ばくの不確定リスクに加えて、1Bqであっても国が移染を国民に義務化するというのは道義的に大問題です。憲法25条に抵触しないのか法制局で議論はなかったのか。すでに多くの方々がご指摘のように、国民が受け入れる責務を有するのは放射能ではなく被災者です。国民が負担する責務を有するのは、放射能拡散の広告・普及・啓蒙・運搬・処分費ではなく被災者への補償です。完全に間違っている。

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