平智之の活動ブログ

2013年4月

電力の需給予測が世論誘導そのもの

2013年4月21日 16:41

今夏の関西、大飯原発を止めても電気は足りる.JPG


●「大飯原発の運転継続が必要」と関西電力が試算
 平成25年4月9日、第二回電力需給検証小委員会が開催され、そこで関西電力から資料が提出されました。その資料による、大飯原発の運転を継続することで、万が一に備える予備率3%をぎりぎりクリアーできる、との試算になっています。

●関西電力の試算には問題がある
 この関西電力の試算にはいくつか問題がありますが、大きなものは次の二つです。

問題1 2010年の猛暑を前提としている(2010年は110年ぶりの記録的な猛暑だった)
問題2 昨夏2012年の実績値を使っていない(仮定に仮定を重ねた数字合わせのような需給予測)

●昨夏の実績を使うと、どうなるか?
 2012年の猛暑日を調べました。2012年7月26日に37.5℃(大阪市)を記録しています。この時の需要と供給の実績値を調べました。今回の関電の予測値とを比較します。

 <需要の比較>
  ・7/26実績 2,672万kW
  ・関電予測 2,845万kW
  ・実績よりも173万kW多めに使うと予測している(過大需要の見積もり)

 <供給の比較>
  ・7/26実績 3,010万kW
  ・関電予測 2,932万kW
  ・実績よりも78万kW供給力が小さいと予測している(過小供給力の見積もり)

●実績で予測すると予備率は余裕
 以上の比較から、昨夏の猛暑日の実績値で見る限り、関電予測よりも251万kWもの余裕が生じており、大飯原発の236万kWは不要となります。大飯原発を止めた場合の予備率を、関電予測と私の実績値調査で比較すると以下のようになります。

<大飯原発を止めた場合の予備率>
・関電予測 需要2,845万kW 供給2,696万kW ⇒ 予備率 ▲5.2%
・平の調査 需要2,672万kW 供給2,774万kW ⇒ 予備率 △3.8%

有識者の皆さんとメディアの責任もある
 以上のように、関西電力の予測は過大に見積もった需要と過小に見積もった供給力で、あたかも電気が足りないように誘導していると考えられます。予測が世論誘導そのものになっています。検証委員会小委員会に委嘱されている有識者におかれては「関電がそう言っているのだから」「経産省も認めているみたいだから」では済まされません。自らの専門家としての矜持と職責を賭けて取り組んでください。またメディアは昨年こぞって「関西は計画停電の恐れあり」という政府の世論誘導に手を貸してしまった責任を感じてください。今夏は徹底的に追求すべきです。「電気不足という昨夏の予測は大きくはずれた」「その検証を政府は一切してない」「今年も同じ手法で意図的に電力不足の予測を出そうとしている」政治部、社会部、科学部が総動員してあたってください。

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