平智之の活動ブログ

目的は高速増殖炉計画の廃止

2013年5月15日 14:52

決算行政監視委員会.JPG


●規制委がもんじゅを止めた?
 昨日、「平さん、規制委がもんじゅを止めましたね」「画期的だと思います」とのご意見を伺いました。おそらくご理解だと思いますが、念のため、規制委が止めたのは"再開"であって"運転"ではありません。

●止まったのは運転ではなく再開
 もともと、もんじゅは運転(つまり発電)が不能になっています。1995年にナトリウム漏れ事件を起こして以来、運転できないでいます。配管を流れる金属ナトリウムを溶かすのに、毎日大量の電気を使っていますが、電気を作ることはありません。そこでJAEAは本年度になって、国費(40~50億円)を投入して運転再開に向けた点検・検査等をしようとしていたのです。つまり、今回規制委が止めたのは運転ではなく「再開に向けた準備」でした。

●170億円の利権は温存
 「画期的だ」と多くの国民が思われるとすれば、今回の「止めた」で2つ留意すべき点があります。ひとつは、再開を止めても現状において約170億円もの整備費が毎年つぎ込まれている点です。「止めた」という言葉で、あたかも予算が削られた印象を与えますが、そんなことはありません。私は、議員在職中(2011年11月17日)に決算行政監視委員会の小委員会で質問に立ち、文科省の高速増殖炉予算を100億円カットしましたが、今回の「止めた」でその水準が維持されただけです。再開に向けた準備のための点検等の新たな費用が使えなくなっただけで、依然としてムダな170億円が投入されているのです。

●1万点の点検漏れで100億円以上が使途不明ではないか
 文科省とJAEAは、「この170億円で安全点検をするのだ」と断言していました。だから運転しなくても170億円は必要なのだと。それに対して私は2011年の決算行政監視委員会で「整備だけでこんなに巨額の予算は不要なはずだ。廃炉前提なのだから電気代込みの30億円程度でよい。」と指摘しましたが文科省側は首を強く横に振っていました。結果は今回の報道のとおりです。点検1万点漏れ。何もやってなかったのです。170億円のうち、ナトリウムを溶かす電気代(数十億円)を除いた100億円以上はいったいどこへ消えたのでしょうか?

●もんじゅは原型炉に過ぎない
 もうひとつの問題は、もんじゅが高速増殖炉研究の原型炉に過ぎないということです。つまり、もんじゅは高速増殖炉研究のひとつの段階に過ぎないのであって、たとえもんじゅが運転不能で廃炉になっても、それは高速増殖炉研究の終了を保証しないのです。そのあたりの問題点は2011年12月11日の私のブログ「ターゲットはもんじゅだけではない」で意見を述べています。

●高速増殖炉は核燃料サイクルの砦
 もんじゅが、このまま運転不能になって、たとえ廃炉に向かっても、高速増殖炉研究そのものを廃止しなければ、いつでもお化けのように登場するのが核燃料サイクルと高速増殖炉です。脱原発・禁原発の目的はもんじゅの運転停止と廃炉ではなく、高速増殖炉計画そのものの廃止です。


●コメントを書く

ページの先頭に戻る