平智之の活動ブログ

【報道ウォッチ3】どちらが無責任か?

2013年11月12日 23:34

【平智之の報道ウォッチ3】小泉元首相が先ほど日本記者クラブで「原発はすぐにゼロがいい」「これは壮大な事業だ」という主旨のご発言。これまでは脱原発という表現だったが、明確に「すぐにゼロ」と言われた。極めて現実的だ。原発はすぐにゼロにするから成長が生まれる。地域の成長だ。

●どちらが無責任か?
しばしば、「すぐにゼロと言うならその方法を示さなければ無責任だ」という経済人、コンサルタント、学識者がおられるが意味不明だ。捨てる方法と場所を示さない限り使用済み核燃料を増やす再稼働や新増設を主張することこそが無責任だ。まず止めて、そのうえで、すでに作ってしまった約2万5千トンの使用済み核燃料と44トンの分離済み未照射プルトニウムの対策を人類の英知を結集して考えるしかない。

●発電と廃炉は全く別の技術
たまに、「廃炉や最終処分の技術を保つためにも原発を継続すべき」という発想を聞くが詭弁だ。蒸気でタービンを回す技術と廃炉・最終処分が同じ技術であるわけがない。その点は10月12日、英原子力公社名誉会長のバーバラ・ジャッジ氏が「発電と廃炉とでは必要な技術が全く異なる」と東京で発言している。

●民主党は原発ゼロと言ってない
小泉総理が発言されたことで1つ気になる点がある。それは「野党は全部原発ゼロに賛成だ」「反対は自民党だけ」とのご発言についてだが、実は当時与党の民主党はゼロにするとは言ってない。2012年9月14日に閣議決定された「革新的エネルギー・環境戦略」のなかで、当初は30年代の原発ゼロを法定する『革新的エネルギー・環境戦略推進法案』(いわゆる脱原発法)を速やかに国会に提出するとしていたのが、一晩で速やかに修正され、なんと「30年代にゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という表現に後退した。「ゼロにするようにがんばってみる」と言ったに過ぎない。当時、菅元首相は間違いなく原発ゼロの法制化を追求しておられた。しかし、おそらく核抑止の発想を持つ一部議員や電力業界の労働組合への配慮から原発ゼロを明言できなかったのではないかと推察する。このあたりの事情「なぜ民主党が原発ゼロの法制化を断念したのか?」が昨日11/11に政府が開示した公文書で明らかにされている。民主党政府は原子力産業を背景とする資源エネルギー庁の巻き返しに屈した。脱官僚と言っていたのに鉄のトライングルを守ってしまった。だから政権を失ったのだ。

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