平智之の活動ブログ

【報道ウォッチ5】なぜ新燃料がプールなのか?

2013年11月16日 23:38

【平智之の報道ウォッチ5】来週4号機の燃料プールから供用プールへ移動開始。まずは新燃料からとの報道。素朴な疑問だが崩壊熱のほぼない新燃料をなぜスペースが厳しい供用プールへ?乾式キャスクで中間貯蔵ではだめなのか?本当に新燃料なのか?私の考え違いなど教えて欲しい。

●使用済み核燃料はすごい熱をだす
使用済み核燃料は燃焼度にもよるが表面の空間線量は10万Svを超えるレベルにも達するとされる。数秒でも命に関わる放射能だ。線源は運転による核分裂で燃料のなかに発生する核分裂生成物(セシウムやヨウ素を含む)の放射能。放射能と同時に熱(崩壊熱と呼ばれる)を出すので、ほっておくとメルトダウンして大量の放射能を放出する大惨事となる。だから使用済み核燃料は、空冷できるくらいの発熱量になるまでの数年間、プールで水に浸して冷却される。

●新燃料はそんな熱を出さない
しかし未使用の新燃料は核分裂していないので燃料内部に核分裂生成物が作られていない。表面の空間線量は数十マイクロSvとされ、これは使用済み核燃料(ex.10万Sv)の10億分の1のレベル。崩壊熱の原因である核分裂生成物がほぼないのだから発熱もほぼないことになる。プールに浸す必要はないと思うが。

●4号機の新燃料はなぜプール?
そこで冒頭の疑問が生じる。それでなくても地上の供用プールはスペースがなく、4号機の燃料を搬入するために、すでに発熱が小さくなった使用済み核燃料を乾式キャスクに入れて別の中間貯蔵施設に運び込む計画だ。なぜそんな状況下で新燃料をプールに入れるのか。同様に乾式キャスクではだめなのだろうか。何か知らないことがあるだろうか。

●むしろ水が怖くないのか?
むしろ万一の臨界を回避するために水に浸さないほうがよい(水が中性子の速度を減速させて連鎖反応を起こしやすくする)とも思えるが、そのあたりはどうなのだろうか。政府がメルトダウンを認めた当初、溶けて形状の変化した溶融燃料に水をかけることについて、再臨界を懸念する識者がいたと記憶する。

●確認してもらいたい
臨界の懸念はさておき、崩壊熱のほぼない新燃料をスペースが厳しい供用プールに入れる点については、なんらか理由があるのだと思う。まずは規制庁の説明が聞きたい。さらには専門家の知見も知りたい。技術的な関心と知識を有する議員に確認してもらいたい。素朴な疑問であっても、こうした細部の地道な確認作業から重要な事実がわかることもある。

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