平智之の活動ブログ

【報道ウォッチ15】政治家の本懐は国民運動

2014年1月15日 06:48

【平智之の報道ウォッチ15】元首相タッグが都知事選で「原発即時ゼロ」を訴える可能性。「禁原発」を主張する者として大いに期待する。「そのうちに」ではなく「即時ゼロ」だからこそ廃炉措置計画、立地自治体支援、成長戦略(代替エネルギー推進)などの具体的政策が描ける


●恩師の辞世の書が原発即ゼロ論
小泉元首相が細川元首相の都知事選立候補を支援するあたり、「原発は即時廃止すべき」「原発ゼロは国民経済の新たな成長発展につながる」という主旨の発言を繰り返し述べておられる。利権や政局が裏にあるのではないかと疑う向きもあるが、実はこうした発想は、小泉元首相の慶応大学時代の恩師の著書「日本再生最終勧告~原発即時ゼロで未来を拓く~」にそのまま書いてある。本書は、ほぼ一年前(2013年1月30日)に逝去された故加藤寛慶大名誉教授の辞世の書。小泉元首相は本書の推薦人だ。

●倫理的・道徳的ではなく理論的に即時ゼロ
ミスター税調で知られる加藤氏は著名な経済学者であり、公共選択論の専門家であったから、原発即時ゼロは倫理的・道徳的ではなく理論的・分析的な主張のはずだ。もし小泉元首相が、「できるだけ早くゼロ」と言われるなら、理論的でないうえに、政策変更の余地を残すので疑問も感じるが、躊躇なく「即時ゼロ」と言われるのは、恩師である加藤氏の経済学理論を前提としておられるはずだ。「禁原発と成長戦略」(明石書店)を世に問うた立場からも、そう感じる。「そのうちにゼロ」と言う方が人目を気にするなら無難で楽なのだ。しかし理詰めで原発ゼロの手続きを考えるなら即時ゼロとなる。裏に利権があろうがなかろうが、本気で脱原発を実現するなら理論的な手続きは即時ゼロ、というのが私の結論でもある。

●成長戦略なら当然に即時ゼロ
もちろん成長戦略の効果も明白だ。70年代後半に、世界一厳しいと言われた排ガス規制基準をクリアーした日本の自動車産業がその後世界を席巻したのと同様に、禁原発の結果必須となるガスコンバインド、IGCC、USC(超々臨界)の高効率化(温暖化ガス排出係数の抑制含む)、さらには地域分散発電によるコジェネ等の熱利用効率および住宅の断熱性能の向上などを目指すことは成長戦略そのものである。禁原発を法定すれば産業全体がそのような成長戦略に乗っていく。廃炉・除染産業も本格化する。

●強行突破と国民運動の違い
細川元首相の決断にも様々な意見があるが私は政治家の決断を感じた。私見だが、ベテラン政治家ほど心のどこかで「国民運動に対する憧れ」を持っているのではないかと思う。支持者や利権団体に対してではなく、真に国民全体のために行動したいという想いだ。しかし大仕事であるほど強行突破になる。野田前首相の再稼働や消費増税、安倍首相の特定秘密保護法がそうだ。集団的自衛権容認もそうなるだろう。これらは数を頼っての議会強行突破であって国民運動の結果ではない。

●国民運動が政治家の本懐
政治家は、心のどこかで国民の圧倒的多数から望まれて行動するのが本懐だという感覚を持っていると思う。そのような政局と課題に出会えるかどうかだ。細川元首相の昨日(1/14)の立候補決意表明の会見にはそうした思いが表れていたように感じた。元首相として、当然に「やはり政治に未練があったのか?」「権力が忘れられないのか?」といった中傷を受ける。それでも組織と距離を取りながら飛び込む決断は「政治家の本懐は国民運動」という想いからではないか。原発即時ゼロの実現に向けて全力を尽くしていただきたい。

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