平智之の活動ブログ

【報道ウォッチ23】 もんじゅ、再稼働と言わずに再稼働する計画

2014年2月17日 15:30

消滅処理の閣議決定.jpg

自民党政調会長がもんじゅで消滅処理(毒性の強い放射性核種に中性子等を照射して半減期の短い核種に変換)の可能性を検討と発言。疑惑の研究である以上にもんじゅの運転が問題。消滅処理と称してもんじゅを再稼働することになる。

●専門家がムリだと明言
以前、消滅処理について核物理の学者に聞いたところ
(1)有害な放射性核種だけを純度高く取り出せるのか?(困難かつ危険)
(2)ぶつける中性子はどこから出てくるのか?(発生場所で余計に放射能を生産するだけ)
(3)照射したら別の有害物質も出てくるはずだ(収支が合わない)
というような主旨で"困った発想"だと表現していた。

●再稼働と言わずに再稼働する計画
今回の自民党政調会長の発言は、上記(2)に関係するが、「中性子を得るため」と称して「もんじゅを運転する(再稼働する)」ことになる。もんじゅについては、このままでは世論の反対で再稼働できないので、再稼働とは言わずに消滅処理(または核変換処理)という専門用語を使って実質的には再稼働するという意図が読み取れる。「放射能を減らす夢の研究だ」として再稼働という言葉を隠すのだ。

●もんじゅの廃炉コストが跳ね上がる
もし、消滅処理の研究でもんじゅを運転すれば、中性子を作るためだけに、またしても炉内に大量の放射能を生産することになる。当然、もんじゅを現況のまま廃炉するのに比べて廃炉費用は格段に跳ね上がる。それも目的なのだろうか。これ以上放射能の在庫を増やさずに、現在ある使用済核燃料と汚染済み原子炉を廃炉・除染することに経済合理性があるのに。

●民主党政権下で閣議決定
ところで何度か本ブログで書いているが、消滅処理のためにもんじゅを専焼炉として使う研究方針はすでに民主党政権下で閣議決定(2012年9月)されていた。上図にその部分を紹介する。だから今回の自民党の発言は政治の意思ではなく原子力関係の産官学の一部からの要望だろう。おそらく自民党政調会長も技術的な整合性(全体として放射能が減るか?)を自分で確認しないままだろう。原発だけではない。福祉も経済も教育も国防も、あらゆる分野について政治がまじめに勉強して力をもたなければ、政治の近くにいるごく一部の少数派のために、引き続き政策も予算も歪められる。原発はその象徴なのだ。原発利権の横暴を止められるかどうかが「政治主導のリトマス試験紙」となる点をこれからも主張していく。

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