平智之の活動ブログ

2014年4月

連休明けの5/7 座談会の参加者募集です

2014年4月29日 18:02

技術者座談会 告知.jpg

連休明けの5/7(水)19時~、東京都内で下記の座談会を行います。
「技術者・技能者が考える日本の未来戦略」を語り合います。
ご関心のある方はぜひ座談会の討論にご参加ください。
お申し込みはinfo@t-taira.netまでメールをお願いします。
詳しくは平成26年5月7日_座談会_告知.pdfをご覧ください。


■日 時:平成26年 5月7日(水) 午後7時~9時
■場 所:都内会議室(追ってご連絡します)
■参加費:1,000円

■形 式:8名以下の討論会(映像で公開、プライバシー保護のご希望に応じます)
■課 題:テーマ1 食糧小国日本がいかにして「食の安全」を確保するか
      テーマ2 成長する諸国(中、印、アフリカ等)と共生する日本の技術戦略とは
      テーマ3 戦争を起こさないために技術者・技能者ができること  など
■対 象:各テーマに関する知識・経験を有する技術者・技能者
      各テーマに大きな関心を有する方

参加のお申し込みをお待ちします。
info@t-taira.netまで。

【報道ウォッチ29】 米国は「行使容認を支持」とは言ってない

2014年4月27日 23:26

日米共同宣言.jpg

本日(4/27)、NHKは討論番組のなかで日本の集団的自衛権行使容認を「米国が歓迎し、支持した」と断定した。しかし日米共同声明(4/25)には「米国が行使容認を支持した」とは書かかれていない。


●歓迎し支持したこと
前回の【報道ウォッチ28】と同様の視点だが、その後に発表された日米共同声明で再び問題ある報道がなされているので、ここに詳細を述べる。外務省及び米国ホワイトハウスのホームページに日米共同声明(4/25/2014)が掲載されている。集団的自衛権(the right of collective self-defense)の部分を以下に抜粋する。

(英文)
The United States welcomes and supports Japan's consideration of the matter of exercising the right of collective self-defense.

(外務省邦訳)
米国は,集団的自衛権の行使に関する事項について日本が検討を行っていることを歓迎し,支持する。


●行使そのものを歓迎し、支持したわけではない
上図で構造をご覧いただきたい。歓迎し、支持したのは「行使そのもの」ではなく「検討を行っていること」である。「行使の支持」と「検討の支持」は意味が違う、というのが常識だろう。もし米国が行使容認を歓迎し、支持したのなら次のように表現すると思う。

The United States welcomes and supports Japan's exercising the right of collective self-defense. (米国は,日本の集団的自衛権の行使を歓迎し,支持する)

NHKだけでなく多くのメディアが「集団的自衛権の行使容認を米国が支持」という見出しを打ち、米国が強く行使容認を求めているかのような印象を国民に与えているのは問題ではないか。


●「個別的自衛権の範囲」の解釈も検討対象
米国は当然のことを歓迎し、支持している。関心の中心はオバマ大統領の政策である国防費削減の遂行とそれにともなう軍備配置の変更(ex.アジア太平洋リバランス)の継続をアジア主要国である日本で宣言することだろう。そのために日本がいま、極東を含む現今のアジア情勢に鑑みて「何ができて何ができないのか」を集団的自衛権行使の違憲を前提に再検討することは当然である。特に「集団的自衛権の行使が違憲だから国際貢献できない」としばしば指摘される事態想定が実は「個別的自衛権の範囲」で解釈できないか、もう一度吟味することもまた当然であろう。


●行使容認への賛成・反対ではない
もちろん共同声明の表現は集団的自衛権の行使容認に反対もしていない。日本国民が憲法96条による国民投票で9条改憲を選択し、集団的自衛権の行使を容認する判断を示すのも合憲であるから、そのような結論に至ることを共同声明が排除できる道理もない。共同声明は行使容認への賛成・反対を表明しているのではなく、あくまでも現行憲法で集団的自衛権の行使が違憲であること(matter of exercising the right of collective self-defense)を前提として、極東を含むアジア和平に日本がどのように貢献できるかを国民的議論として検討すること(Japan's consideration)を歓迎し、支持しているのだと考えるのが自然ではないか。いきなり「集団的自衛権の行使容認を米国が支持した」と報道することにはメディア側の恣意性を感じる。

【報道ウォッチ28】 ヘーゲル長官は歓迎か?支持か?

2014年4月20日 01:20

ヘーゲル長官 歓迎と支持.jpg

4/5日経新聞(Web刊)に「集団的自衛権の行使容認 米国防長官、支持を表明」との見出し。しかし米国防総省公表のヘーゲル長官回答には集団的自衛権について「Welcome(歓迎)」とあるが「Support(支持)」はない。歓迎は支持でも賛成でもない。ミスリードではないか。


●WelcomeとSupportの違い
外交における英単語のニュアンスの違いに詳しくはないが、一般的にWelcomeとSupportの意味はかなり異なるだろう。集団的自衛権の行使容認の議論についてWelcomeと言えばせいぜい「どうぞ議論して下さい」「議論することは有意義だ」という程度の意味であり、「容認賛成」とまでは拡大できない。一方Supportと言えば、それは米国が積極的に行使容認を後押しするのであり、ほぼ「容認に賛成」という意味になる。

●記事中には「支持を明言」とまで
見出しは「支持を表明」としており、さらに記事中ではヘーゲル長官が「支持を明言」とまで書いている。これはもう米政府が日本の集団的自衛権の行使容認に賛成しているという報道ではないか。

●米国があからさまな行使容認は考えられない
日中、日韓の関係修復を期待し、安倍首相の靖国神社参拝にDisappointed(失望)した米国が、あからさまに集団的自衛権の行使容認を支持することは常識的には考えられなかった。報道当初から気になっていたので調べてみた。

●米国防総省が公表するヘーゲル長官回答
米国防総省の報道機関であるThe Defense Media Activity公表文(American Forces Press Service記事)で日経新聞社に対するヘーゲル長官の回答を調べた。WelcomeとSupportが使われている部分を抜粋すると以下のとおり。

The United States recognizes Japan's long-standing commitment to regional and global peace and stability and we welcome(歓迎する) Japan's efforts to play a more proactive role in the Alliance, including by reexamining the interpretation of its Constitution relating to the right of collective self-defense. (集団的自衛権に関する憲法解釈を再検討すること)

We also support(支持する) expanding the role of the Japan Self Defense Forces within the framework of the Alliance(日米安保の枠組みにおける自衛隊の役割拡大), investing in cutting-edge capabilities(cutting-edge(前方展開?)能力への投資), improving interoperability(日米合同作戦能力の向上), modernizing force structure(実力の近代化), and adapting Alliance roles and missions to meet contemporary and future security realities(現在と将来の有事に対応する安全保障の役割と使命の採用).

●SupportではなくWelcome
ヘーゲル長官の回答文(上記)を見る限り、集団的自衛権の行使容認については憲法解釈の議論をWelcome(歓迎)しているがSupport(支持)しているとは読めない。ましてや「支持を明言」とはとても読めない。

●各紙を並べ読みすること
どうも微妙だと感じる報道については、各紙を並べ読み、比べ読みすることが大切である場合が多い。参考までにヘーゲル長官が行った集団的自衛権の行使容認(に向けた議論)に対する発言について各紙の報道を上図にまとめる。「Welcome(歓迎)」との報道が多い。歓迎は支持や賛成ではない。最後にもう一度、現今の極東情勢を考えて、公式に米国政府が日本の憲法解釈の変更をSupport(支持)すると明言するとは考えにくいという点を述べておきたい。支持したいと考える研究機関や識者が米国にいることは別である。

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