平智之の活動ブログ

2016年8月

ホームグロウン・テロリストと若者について

2016年8月27日 19:34

公安調査庁.jpg

公安調査庁のホームページを転載

●若者の犯罪のニュース
若者の犯罪について多くのニュースを見る。
近年になってそうした若年層の犯罪発生が多くなったのか、昔も同様に犯罪は発生していたけれども関連する報道が少なかっただけなのかは定かではない。

●心と身体のエネルギー
いずれにしても心と身体の振れ幅が大きい若年層が極端な行動に走り、それが犯罪に結びつくことがあるのだと思う。そもそも人は社会経験を積み重ねながら感情を暴発させない心理的で社会的な技術を徐々に身につけるのだから、それが十分でない若い間の心と身体のエネルギーが暴発するリスクは常につきまとうだろう。

●ホームグロウン・テロリスト
そうした傾向が特に欧米先進国では若者によるテロ行為につながっているかもしれない。欧米の若者が過激な思想を有する組織や集団の主張に感化されてテロ行為を起こすとされているケースだ。これに関連して『ホームグロウン・テロリスト』という言葉がある。公安調査庁のホームページには次の様にある。

ホームグロウン・テロリスト」の脅威
「ホームグロウン・テロリスト」とは,一般的には,欧米諸国に居住する者で,「アルカイダ」などの唱える主義主張に感化されて過激化し,居住国でテロを行う者を指す。「ホームグロウン・テロリスト」の過激化は,通常,居住国においてインターネットなどを通じて進行するとされる。


●若者が選んでいる可能性
先日この分野に詳しい方のお話を聞いたところ次の様に語っておられた。
「テロ組織が若者を選択しているのではなく、若者がテロ組織を選択している可能性もある」
つまり若者はいつの世も急進的なのであって、常にそのような刺激を外部に求めており、たまたまそこにアルカイダが主張するような「個人的ジハード」の教唆を見つければ、それに乗ってしまうこともありえる、という主旨だ。考えてみれば60,70年代の学生運動も、現在も頻発する学校のいじめも、若者が持つ心と身体のエネルギーが起こす現象という部分もあるかもしれない。

●ネット時代の規制
 映画が上映される直前にPG15やPG18などの表示を見ることがある。15歳以下は観てはダメ、18歳以下は観てはダメという指定である。報道や表現芸術の域を超える極めて過激な内容について、このような社会的配慮は重要であろうし、もちろん表現の自由も重要であるから、「規制の在り方」については今後も大いに検討していく必要がある。しかし一方で「規制できるのか」という問題もある。ホームグロウン・テロリストは映画で情報に触れているのではない。インターネットでジハードの情報に触れている。こうしたネット経由の情報を完全に規制することは不可能だという点を無視することができなくなっている。

起こった後のフェール・セーフを
 今後は若者による過激な行動が起こり、それがテロを含む犯罪的な行為につながった場合に、その事後のリスクとどう向き合うかについての社会的な技術を磨いていかなければならないと思う。そのような事態が起きないような対策は引き続き重要であるが、ネット社会の情報環境においては絶対に起きないようにすることがそもそも不可能であろうから、「起こらない対策」と同等かそれ以上に「起こった後の対策」に力を入れる時代に入りつつあるのではないか。そうなると、たとえばノルマライゼーションが主張する「私たちがお互いを区別することなく社会生活を共に営んでいく姿勢」のように、たとえば若者の過激な行動等に対して社会的な更生を促すような制度や施設のあり方を再考する時が来ているのかもしれない。皆さんお気づきのとおり、これは実に難しい問題だ。解決方法が見えない。つい理想論やキレイごとで片づけたくなるだろう。しかし欧米先進国における昨今のホームグロウン・テロリストと若者のニュースを見るにつけ、そんな悠長な状況でもないと感じるのだ。

●京都三条ラジオカフェの番組
 以上のようなことをラジオ番組でお話ししました。ご視聴ください。

平智之の報道ウォッチ【FM79.7MHz京都三条ラジオカフェ】
2016年8月27日放送分「ホームグロウン・テロリストと若者について」

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