平智之の活動ブログ

IMFがBrexit直後の英国経済好調を認めた

2016年10月10日 13:26

Guardian英国好調.jpg

2016年10月4日 The Guardian の記事


●IMFは予測を修正か?
先日IMFが、EUを離脱した英国の今年の経済が好調だと認めた。
6月末の国民投票前にはIMF自身が「英国の株価はクラッシュするだろう」などと非常にネガティブな予測を公表していたから、IMF自身が予測の修正を一部認めたことになると思う。(今年が好調なのであって、来年以降の長期はわからない、と言うだろうから)

●英国がG7で最も早い成長
英国紙Tha Guardianは10/4に次の見出しで報じた。
"Britain will be fastest growing G7 economy this year, says IMF"
(「英国経済は今年G7で最も早く成長するだろう」とIMFが言った)

●IMFの株価予測は外れた
確かに国民投票直前にIFMのLagarde専務理事自らが"firmly to the downside"(景気悪化は確実)と明確に断じていたし、IMFとして"Brexit could spark a stock market crash"(Brexitで株価は急落しうる)との予測を公表していた。ところが、その予測は外れた。上記Guardian記事によると、国民投票日の6/23以降だけでFTSE100(ロンドン商取の株価インデックス)が12%上昇している。(それ以前から上昇していたが、そのままBrexitを織り込みながら上昇したようだ)

どういうことだろうか。

●Brexitで自国通貨安
そもそも現在、世界各国は株価や輸出にプラスの効果が期待できる自国通貨安競争を繰り広げている。日本もそうだ。そのなかでBrexitは最大の通貨安戦術になったと言えるかもしれない。一時1985年6月以来の30年ぶりのポンド安をつけている。株価が上がるわけだ。

●単なる短期的な効果か?
その意味で現段階でのIMFの成長予測は急激なポンド安による短期的プラス効果と見ることもできるが、私は政治的に長期的プラスの可能性も見ておきたいと思う。イギリス政府(与党側)は国民投票に際してBrexitに強烈なネガティブキャンペーンを展開していた。増税になる、社会保障が不十分になる、失業率が上がる、などなど。

●自分で選んだ道だから強い
そしてどうなったか。欧州はおろか世界経済の「秩序を乱す」という世界各国からの批判も、自らの「生活に不利」という英国政府の警鐘も、なにもかも振り切って英国国民は離脱を選んだ。今後様々な分析がなされると思うが、私は端的には「それでも自立を選ぶ」という英国国民の覚悟が不安に勝ったのだと感じる。自分たちで選んだ道だから、国民自らが我慢と努力をするだろう。英国には英語圏という味方もある。短期的な株価や通貨安を飲み込んで足腰の強い経済に向かっていく可能性も否定できないと思う。

●京都三条ラジオカフェ
ラジオ番組で上記の内容をお話ししました。ご視聴下さい。

2016年10月8日放送分 『EU離脱で英国絶好調の理由』

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