平智之の活動ブログ

原発・放射能

お母さんが国を動かした

2012年5月11日 19:30

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●国会委員会での質問からスタート
去る3月5日の予算委員会分科会において、私から藤田一枝厚生労働大臣政務官に質問をいたしました。「保育園の子供たちの給食について放射能検査の制度がない」、「被災地以外でも内部被ばくを心配するお母さん方が多くおられる」藤田政務官からも大変真摯なご答弁をいただきました。

●厚生労働省に直接説明
質問の後日、藤田政務官の指示を受けた厚生労働省の担当者(厚生労働省雇用均等・児童家庭局)と直接話をすることができました。そこで私は、これまでお母さん方から聞いてきた内部被ばくのご不安を担当者に説明し、担当者からも「そのような実態を知らなかった」、「さっそく調べてみたい」との約束をもらいました。

●お母さん達の声が厚労省に届く
約束どおり、厚労省から都道府県・指定都市・中核市(以下、自治体)に向けてアンケートが行われました。「保育所等での給食検査の実施状況について」というアンケートです。その結果、多くの自治体から「保護者のニーズに応えられていない」、「国からの財政援助を要望する」との回答が寄せられました。お母さん達の声が厚労省に届いたのです。

●厚労省から自治体へ事務連絡
そして3日前(5月7日)、厚労省から自治体へ保育所等の食材検査を補助する旨の事務連絡が発出されました

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●補助率10割(全額補助)で約12億円
本制度は福島県以外でも食材の事前・事後の両方の検査を補助します。関西でも九州でも同じです。まず事前検査では、1台250万円程度の検査機器について各都道府県(福島県以外)で5台程度を補助します。また事後検査では各都道府県で2市区町村程度のモニタリング費用(食後にすり潰して検査する費用)を補助します。実施期間は今年度(25年3月31日まで)で、補助率は10/10(全額補助)です。

●お母さんが国を動かした
原発規制政策を担当する議員として活動するなかで、多くのお母さん達から子供の内部被ばくの心配をお聞きします。政府や医療者から「人体に影響はないレベル」、「心配しているあなたが心配」、「ストレスの方が影響する」などと言われて傷心のお母さん達がいかに多いことか。子供を守ろうとするお母さん達の声に耳を傾けない国に未来はない。暫定基準500Bqから現行の50Bqなど、3.11以降の食品安全基準を動かしているのはお母さん達です。今回の保育所の検査補助もお母さん達が国を動かした実例です。藤田一枝政務官に感謝します。厚労省担当官も実直に対応してくれました。

●地元の国会議員に声をとどけてください
現段階では残念ながら、間接民主主義に委ねていたら再稼働と汚染拡大を許してしまう危険性を感じます。本当に残念ですが。ですから原発と放射能については直接民主主義的な力が必要だと感じます。みなさんの声を地元の国会議員に直接届けてください。今後とも、お母さん達の声を国に届けるべく全力を注ぎます。

国が再稼動Noを決断すべき

2012年5月 1日 20:49

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街頭演説で大飯原発の再稼動反対を訴えました

●行政指導で再稼動してはならない
四閣僚会合にはそもそも法的な拘束力などありません。原発の再稼動は原発の設置許可者である経済産業大臣の所管であり、四閣僚会合はいわゆる行政指導です。ですから枝野大臣の判断がすべてなのです。

●経済産業省が京都府へ
本日、経済産業省の電力・ガス事業部長と原子力安全・保安院の首席統括安全審査官らが京都府庁を訪れました。原発再稼動の安全基準の妥当性を京都府に説明するためです。敢えて言わねばなりません。大飯原発の再稼動にNoを主張する与党議員の一人としてです。自治体にはこの説明を認めて欲しくありません。

●安全基準を認めてはならない
法的(電気事業法)には経産省が認めた安全基準をクリアーした事業者に「再稼動するな」とは言えません。経産省がクリアーすべき基準を設けた以上、クリアーした事業者の再稼動を許可するしかりあません。ですから安全基準を認めてはならないのです。その点、京都府と滋賀県が「国民的理解のための原発政策への提言」で独自の安全基準を主張される点に敬意を表します。府民・県民の立場にたった姿勢です。

●賛成と反対のねじれ
自治体として厳しいのは「地元の意見」の扱いです。メディアでこう言われています。「"電気を作る原発立地市町村"が再稼動に賛成し、"電気を使う都市部自治体"が再稼動に反対している。ねじれている。」大飯町が賛成し、京都府と滋賀県が反対する、という構図です。

●立地市町村に判断を仰ぐこと
原発立地市町村のみなさんは本当に心から再稼動に賛成しておられるのでしょうか。たとえば7~8割の町財政が原発立地の交付金に支配されていて、そのうえで再稼動の判断を仰いだら、どうして反対と言えるでしょうか。

●国家権力の濫用
再稼動の判断を交付金を受け取る自治体に任せるのはあまりに酷い。3.11を受けて、大方の世論が原発に不信感を持つなかで、再稼動を目論む国がその再稼動を"立地自治体に言わせる"という構図です。反対できないことを見越して。国家権力の濫用です。

●枝野大臣のNo
すべては経済産業大臣にかかっています。「現在の安全基準は不適切である」という一言です。枝野大臣には「自治体の賛成が得られないので再稼動できない」という立地自治体への責任転嫁ではなく、自らの意志で「再稼動しない」とご決断いただきたいです。そう決断いただけるよう、引き続き党内で再稼動反対の主張を続けます。

埋めて忘れて、本当にいいか?

2012年4月23日 15:14

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(瑞浪超深地層研究所の300m地下。エレベータを出たところ。)


●使用済核燃料の最終処分
再処理しようと1回で捨てようと、使用済み核燃料は必ず最終処分しなければなりません。しかも、地下水に触れないように、地上に漏れ出してこないように、数千年から数万年にわたって安全性を確保しなけれなりません。まさに人類史的な管理です。

●瑞浪超深地層研究所を視察
いまのところ世界で安全とされている方法は地層処分です。宇宙は途中の大気圏内で爆発したら地球全体が汚染されるので禁止。海は海洋汚染が深刻なので禁止。結局、許されているのは地上での処分のみ。その地上処分で最も適切な方法が地層処分だとされているのです。さきほど地層処分研究を行う瑞浪超深地層研究所を視察しました。エネルギーPTの使用済み燃料に関するワーキングチーム(近藤昭一座長)です。

●地下300mの研究施設
立てに掘り込んだ坑道で地層処分の研究が行われています。最終的に使用済み核燃料を保管する地下施設の計画や設計のあり方が研究対象です。たてに坑道を掘ることによって周囲の水脈や水質はどうなるか?地盤(瑞浪は花崗岩層)の亀裂はどうか?などを調べています。映画「10万年後の安全」と同じ風景です。

●管理するのか?管理しないのか?
私からは、同席いただいたJAEA幹部、文科省担当者に向けて次の質問をしました。「地層処分は地下深くに埋めて、数万年後に向けて放っておくという技術だ」「それもひとつの選択肢だが、逆に放っておかないで人類が管理し続けるという選択肢も検討すべきではないか?」「管理するのか?管理しないのか?の選択肢だ」

●原子力村の一致した認識
JAEA理事長はそもそも最終処分の研究者でおられるそうで、「散々検討してきた結果として地層処分が選ばれた」「アメリカも北欧もそうであり、地層処分が専門家の一致した認識だ」とのこと。私からは「専門家と言われるが、それはいわゆる"原子力村"ではないか?」「より広い専門分野から検討したらどうなるか、示してほしい」と述べました。「埋めて忘れる」という感覚が腑に落ちません。「埋めてしまえば問題ないから」という"バックエンドの安全神話"ではないか。

●禁忌として引き継いでいく発想
核エネルギーは純粋に科学的・技術的な議論だけでなく、文明論的、思想的な議論が必要です。人類が再び核エネルギーの利用を思い出さないように管理を引き継いでいく発想はないでしょうか。禁忌として。実際、過去の痛ましい公害事件で埋めた毒性の強い廃棄物が、わずか30~40年で再び漏れ出すリスクにさらされています。数万年とはなにか?放射能も化学物質の毒性も人間の一生より長く続きます。次世代に負の遺産を残さない方法が"忘れること"かどうか、再度検討すべきです。核物理やプラントの専門家だけには任せられません。


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(この行き止まりから先も発破で掘り進む)

党内議論の公開を

2012年4月20日 15:21

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(4月10日 原発事故収束対策PTでの発言)


●再稼動には反対
去る4月10日、原発事故収束対策PT(私は事務局次長)で総会がありました。マスコミ・フルオープンでしたので私が発言している部分も公開されていますのでリンクさせていただきます
(ビデオ冒頭30秒くらいから約4分ほど私が発言しています)

●炉を守って人を守らず
再稼動に向けた基準は、非常用電源の増設、ポンプ車の高台配置、防潮堤のかさ上げから、バグフィルターの付設や免震棟の建設まで、すべて原子炉のことばかり。つまり"炉を守る"基準なのです。「これだけやってるんだから、放射能が飛び散るなんて滅多にありませんよ」という構図。炉を守れば人も環境も守れるだろうと。実はこれこそが安全神話の元凶です。

●炉が守れないとき
メルトダウンが起きて、炉が守れなくて、放射性物質が飛散したときに、いかに人と環境を守れるか?大飯原発ならば、琵琶湖にヨウ素やセシウムが混入したときに、いかにして汚染地域の避難と除染ならびに下流への拡散をとめることができるか?ヨウ素剤の配布体制は?緊急避難計画と避難後の居住支援は?それらすべてが再稼動の基準に必要です。

●いかに人と環境を守るのか?
炉の管理と規制の法律である現行の原子炉等規制法だけを見るからこうなります。霞ヶ関の皆さんは「原子力災害の避難とか除染は原災法の範疇です。再稼動の基準は炉規法に基づきます。」と言いますが、ならば原災法で再稼動の条件を抱えるか、あるいは炉規法の(目的)第1条に「この法律の目的は電離性放射線から人と環境を守ること」と明記すべきなのです。炉を守る法律だけを見て炉を守る方法だけを書いて、とにかく再稼動させてください。万一、炉が守れなかったら、それは別の法律で見てもらいますが、再稼動には関係ありません。とりあえず再稼動はこれで進めます。暴力です。

●党内議論を党が自ら公開を
私は、大飯原発再稼動反対だけでなく、消費増税でも広域がれきでも、異を唱えるべく党内で発言しております。しかしマスコミが"冒頭撮り退場"なので映像が外に出てきません。再稼動のように、特に国民の総意に基づくべき議論は、与党内でどのような議論がなされ、各議員がどのような考えを主張しているのか、もっと国民に知らせなければなりません。党内議論を党が自ら公開すべきです。

がれきの広域処理は原発推進と同じ

2012年4月 9日 19:59

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宮城県のがれき処理現場を視察した際に携帯で撮りました。
タイヤ、木材、洗濯機など、それぞれの分別が整然と行われていました。

●納得できない「がれき広域処理」
がれきの広域処理には納得できません。突然のように国民の協力を要請する新聞広告。「みんなの力でがれき処理」という15段ぶち抜き(全面)広告には恐怖を感じました。

●法律で国民の責務になっていた
菅政権の最後の法律であり細野大臣が所管する「放射性物質環境汚染対処特別措置法」の第6条に次のように定められていました。
『(国民の責務)第六条 国民は、国又は地方公共団体が実施する事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する施策に協力するよう努めなければならない。』
国の施策は「がれきの広域処理」です。つまり「放射能拡散のリスクを国民が受け入れるべき」と法律に書かれていることになります。環境委員会での議論を傍聴すべきでした。まさかこの条文が放射能がれきの広域処理につながるとは。

●23年度の広報予算は9億円
 今回の広報予算を環境省に聞きました。広域がれき処理を国民に要請するための広告費用予算(平成23年度)は合計9億円です。うち2億円が新聞等の広告出稿であり、7億円が普及・啓発活動です。放射能の拡散リスクを普及・啓蒙するという発想自体が信じられません。

●普及・啓発ってなんだ?
約7億円の普及・啓蒙活動の細目は以下のとおりです。
・ポータルサイトの企画・運営
・パンフレット・DVD作成
・コールセンター運営
・研修等の実施
・除染情報プラザの運営等
焼却灰処分予定地の周辺にお住まいで不安をお持ちの方々に、放射能拡散リスクを無理強いするために情報プラザをつくる?パンフレット・DVD?「原発は絶対に安全です」「事故など起こりえません」と普及・啓蒙してきた過去の原発推進政策の構図と瓜二つです。がれきの広域処理は原発推進と同じです。3.11で何を学んだのか。

●こんな環境省が規制庁を?
私はもともと規制庁が独立の三条委員会であるべきだと考えていました。当初の党PTの提案資料にも明記しました。しかし、「原子力村の過ちを2度と繰り返さないために独立は逆に危ない。だから規制官庁たる環境省の下に置くのだ」という政府(内閣官房準備室)の主張に委ねたのです。しかしこれはなにか?環境省は規制官庁をやめるのか。このような環境省に規制庁がぶらさったら余計に危ない。

●がれきの広域処理は即刻中止すべき
政府には環境規制行政の危機(放棄)だと考えていただきたい。低線量被ばくのリスクが不明である放射性物質で廃棄物処理の基本原則「持ち込ませない」「持ち出さない」を外すなどありえません。「測定して少ないモノだけをお願するのだ」も理由になりません。1Bqでも(原発事故由来であれば)拡散は拡散なのです。低線量被ばくの不確定リスクに加えて、1Bqであっても国が移染を国民に義務化するというのは道義的に大問題です。憲法25条に抵触しないのか法制局で議論はなかったのか。すでに多くの方々がご指摘のように、国民が受け入れる責務を有するのは放射能ではなく被災者です。国民が負担する責務を有するのは、放射能拡散の広告・普及・啓蒙・運搬・処分費ではなく被災者への補償です。完全に間違っている。

増税は景気がいいときに

2012年3月23日 01:16


●世界でうまくいった例がない
前々回の消費税増税法案に関する党内集会で私は挙手のうえ次のことを質問しました。「過去、景気が下降局面にあって増税がうまくいった事例は世界にあるのか?」調べる限り、日本のような経済規模を有する国においては、景気が悪いときに増税した場合、失敗した事例しか見つからないのす。かえって景気を減退させているのです。

●ドイツの例?
私の質問に対して政府から次のような説明がありました。「ドイツの2007年増税がその事例です。」「2007年ドイツの増税はうまく行きました。」これは理解できません。確かに2007年にドイツは16%から19%に3%増税を実行しました。しかし、2007年のドイツのGDPは、名目5.0%、実質3,3%であり、2002年から一貫してデフレータはプラスで、つまり景気上昇局面なのです。下降局面の増税成功例として、なぜ上昇局面の増税事例を出したのか?理解できません。

●回答いただけない
前回(昨日)の集会で、その点を再度質問しました。「2007年ドイツは景気上昇局面ですね?」「景気下降局面の増税成功事例にはならないですね?」しかし回答はありませんでした。いわゆる"無視"です。他の議員の質問に対しても、まともな回答がない場合が多いです。このようないい加減さのまま増税の議論が続いています。

●付則18条
今回の増税法案の重要論点のひとつに付則18条があります。景気弾力条項です。景気が良くないときには増税をしない、というストップ条項です。そもそも昨年末の取り決めでは増税に際しては「好景気を条件とする」と明記されていました。ところが今回政府から示された増税法案では「景気を総合的に判断する」とされ、"好景気"という条件が削除されていました。そしてさらに、昨日の集会で出てきた付則18条修文では「とにかく増税して、そのうえで景気が後退しないように成長戦略などの対策を講じる」という主旨に書き換えられていました。つまり、"好景気"という条件が"総合的判断"にすり変えられ、さらに"とにかく増税する"に変身してしまったのです。

●増税こそ政治主導で
今回の増税法案は閣法(内閣が提出する法律)ですので、法文は財務省が作成してます。上述したような議論無視の進め方は財務省の方針であり、大変残念なのは、その財務省方針に政務三役も乗ってしまっている点です。政治主導ではなかったのでしょうか?政治は「増税するならば好景気が条件である」「約束(2014年8%と2015年10%)の時点で好景気が確認できなければ、増税はストップする」「あとは財務省で詳細を詰めてほしい」と大きく構えれるのが適切です。閣僚から「デフレでも増税して問題ない」という主旨の発言が出てくるのは官僚主導の典型です。

●賛成できない
私は直間比率の見直しという観点で、直接税を減税するのとセットで、いずれ消費税を上げることに賛成です。でもやはり、それは行政と政治のムダを徹底的に排除してからの議論です。2009年に約束したとおりです。ムダの排除が、いつのまにか議論のテーブルからはずされて、気がつくと景気の議論に置き換えられている現状を考えると、せめて好景気の条件をストップ条項に盛り込まないと、このままでは今回の増税法案を閣議決定すること自体、賛成することはできません。

国会事故調とバンダジェフスキー氏講演

2012年3月20日 18:45


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●国会事故調の議論を傍聴

19日(月)は国会事故調査委員会が開催され、傍聴いたしました。チェルノブイリ立入禁止区域管理庁長官など3名が来日して、1986年の火災事故直後からこれまでの経験を語ってくれました。

●被害の報告と安全の報告と

「事故処理にあたった人の健康被害が大きかった」「セシウム137が700kmも飛んだ」「Pu241が派生物として徐々に増えていく」などの被害報告があった一方で、「情報は開示するよう法律で定められている」「福島第一はチェルノブイリよりも軽いだろう」という安全側の発言もありました。

●ユーリー バンダジェフスキー氏の講演を傍聴

たまたまだと思いますが同時刻、衆議院第一で開催された国会事故調とは別に、参議院会館でユーリー・バンダジェフスキー博士の講演会が開催されていました。ユーリー博士はチェルノブイリ事故の放射線影響の甚大さを公表して当時の政府に逮捕され、ベラルーシから追放された病理解剖学の専門家です。

●情報は隠されている

この講演も傍聴しました。「ガンよりも心臓疾患の影響の方が大きい可能性がある」「ベラルーシで事故以来、死亡率が上昇し出生率が下降し、92年に逆転した村がある」など、特に子供に対する甚大な被害の報告があり、「情報は隠されている」という主旨の厳しい発言がありました。

●米国と同様にウクライナ、ベラルーシも

私も発災直後から第一原発を注視してきた議員のひとりですが、ひとつ感じるのは、NRC(米国原子力規制委員会)やDOE(米国エネルギー省)をはじめとして、米国寄りの情報環境で議論してきた部分が否めません。TMI(スリーマイルアイランド)は圧力容器で止まりました。(と言われています。)しかしチェルノブイリはいまでも現場に溶融燃料があります。現在も燃料を炉内に持つ第一原発の未来の収束と、その周辺の放射線防護・避難区域のことなどを考えると、米国だけでなくウクライナやベラルーシの経験も同様に重視しなければなりません。

●「ICPRって?」

過日、事務局次長を務めている民主党原子力事故収束PT(荒井聡座長、川内ひろし事務局長)でチェルノブイリ事故関係者のお話を聞いたとき、「ICPRの基準についてどう思うか?」と聞いたところ、「ICRPって?」と怪訝な顔をされました。日本ではICRPの勧告が食品基準などの参考とされていますが、チェルノブイリでは異なる判断を行っているようでした。まさに、その基準を学ばねばなりません。セシウムを大量に飛散させたのは米国TMIではなくチェルノブイリであり、最大の被害がベラルーシで起きました。特に健康被害の問題と放射線防護はベラルーシの経験を学んでまいります。

原発依存度をゼロに

2012年3月11日 16:37


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(バイバイ原発3.10京都で活動報告)


●バイバイ原発3.10京都に参加
昨日(土曜)昼、京都市内の円山野外音楽堂で脱原発イベント「バイバイ原発3.10京都」に参加しました。依存度を下げるのではなく依存度をゼロにするという大きな集会でした。集会後の市内行進は6千人を超えました。写真は集会直前に私の活動をご報告しているところです。国会議員のひとりとして、原発依存度をゼロにする運動の仲間に加われたことはとても光栄でした。主催者のみなさん、そして来場されたすべてのみなさんに感謝いたします。


●子供と未来を守る
1年前の今日、あの未曾有の災害が発生しました。いまだ多くの行方不明がおられるなかで、私たち政治家が決断すべき最も重要なことはまず"原発を止める"と宣言することです。どんなに困難があっても、「子供と未来を守る」という当たり前の使命を全うするためです。


●参加のきっかけは?
集会で横におられた新聞記者さんから「これは各党に呼び掛けがあっての参加ですか?」と聞かれたので、「自分でこの集会を知って自分の意思で来ました」と答えました。先日、旧友に「平は昔から原発ダメと言ってたな」と言われて自分でもはっとしました。大学生の頃から「原発危ない」と公言して30年近く経ちます。2年前のエネルギー基本計画策定の際も、事故リスクを主張して、政府および経産省の「クリーンエネルギー原発の依存度を50%」に断固反対しました。クリーンじゃないのですから。


●平さん、それは甘い
「平さん大丈夫か?」「そんなこと簡単に言っていいのか?」「電気足りるのか?」「電気代上がったら工場が海外へ逃げて日本の雇用がなくなる」「考えが甘いのとちがうか?」そんなお言葉を多くいただきます。より深刻なお言葉は次のようなものです。「原子力産業で生きてる人もいる」「いきなり止めて、その人たちの家族はどうなる?」「核燃料サイクルだって、そこで働いている人がいる」


●ピーク電力をどうするか
今年の夏に電気が足りるのか?についてですが、関西はいま脱原発状態なのに電気は足りています。このブログを書いている現在も、関西電力のでんき予報(http://www.kepco.co.jp/setsuden/graph/index.html)によれば、ピーク時供給能力に対する現在の使用電力は62%で問題なし。余裕たっぷりです。問題は7月中旬から8月中旬に迎える夏場のピーク(最大電力発生日)を乗り越えられるかどうか?なのです。大飯1~4、高浜1~4、美浜1~3の合わせて約980万kW(定期検査等で実際にはこの一部が供給源です)の欠落をどのように埋めるかの問題です。非常におおまかですが、ピークが約3,000万として、火力が舞鶴のバイオマス入れて最大約1,700万、水力が揚水入れて最大約800万とすると、その差分約500万を、節電・省エネおよび中部・中国電力(60Hz同士)からの融通電力などを考えて計画することになります。ピーク3,000が本当かどうかも含めて、この点はさらに調査します。


●原発ゼロのまま夏を乗り越える
大飯原発はもちろん、原発を再稼動せずに"原発ゼロのまま夏を乗り越える"ために私は全力を尽くします。「原発がなかったら電気がなくなる」という通説を覆して、原発がベース電源として必須ではないことを証明するのです。フランスに次ぐ原発依存地域である関西で、そのことを証明する意義は大きい。


●産業の空洞化は原発の問題じゃない
原発ゼロによる産業の空洞化も異議があります。産業にもいろいろあります。製造業の生産拠点に限って空洞化を語るならば、それは電気代の問題ではなくグローバル化の問題です。現代の資本は、世界中でより安い税金を求め、より強い市場を求め、より優秀な人材を求め、より安定した政治体制を求めて自由に移動する時代です。租税ネットワークのように世界各国が税金財源を追いかける時代なのです。電気を使う精錬工場ならわかりますが、一般に製造拠点は電気代というより、特区の減税・免税制度、原料調達の価格と安定性、そして人件費を含む直接経費(解雇法制含む)に依存します。電気代はひとつの要素です。脱原発よりもTPPの方が空洞化の効果は大きいでしょう。NAFTAにおける北米と同じです。


●原発依存度ゼロが大きな産業
原子力産業で生きている人々の職場はなくなりません。原発依存度ゼロを宣言した瞬間に核燃料サイクルも御破算ですから、各原子力発電所に保管される大量の使用済み核燃料が資源ではなく廃棄物になります。この廃棄物を30年~50年中間貯蔵して粗熱を取り、さらに数千年から数万年間管理するというのは、とてつもない産業です。これまで原子力推進産業に従事してきた方々は脱原子力産業(使用済み燃料の最終処分、廃炉、除染等)という最低でも数千年間保証された産業に再就職するのと同じです。仕事はなくなりません。脱原発で廃棄物の追加生産が止まるだけです。


●産業も家庭も省電力へ
新エネルギーの開発に加えて、まず日本の社会を省エネルギーにすることです。この夏から始められます。そもそも、わたしたち日本人は風鈴で涼を呼ぶ心理的技術を持っています。京都の町屋の打ち水と坪庭もエコ住宅そのものです。LED照明、大きな定置型蓄電池、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)など、省エネに関係する慣習から先端技術まで、すべてを総動員して原発なしで今夏を乗り切るのです。わたしたちの態度そのものが実はエネルギー革命です。関西電力が素晴らしいホームページを作ってくれています。「ご家庭の節電対策チェックシート」(http://www.kepco.co.jp/home/setsuden/)です。ぜひ一度やってみて下さい。


●蓄電や光合成や水素社会に走り出そう
物理学者であるメルケル首相が「原発依存度ゼロに向かう」と宣言したからこそ、ドイツでは新エネルギーの研究と開発が急ピッチで進んでいます。"日本も一緒"です。電力ピークカットとピークシフトに貢献する蓄電社会の構築、発電しても水と熱しか出ない水素社会の構築、二酸化炭素そのものが原料になる人工光合成の実現など、世界に先駆けた研究を始める時です。その工程表が必要なのです。原発に依存しないと決めるから工程表が作れます。私自身、国会議員の義務として、新エネルギー社会構築の工程表づくりにまい進します。


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(ご紹介いただき一礼 みなさんありがとうございました!)

8.9円~の間違い

2012年3月 6日 20:20

●原子力コストは本当に安いのか?
昨日(3/5)は枝野幸男経産大臣に委員会質問いたしました。テーマは原子力コストの問題点です。未来のエネルギーベストミックス(原子力、火力、水力、再生エネ等の最適な組み合わせ)を検討するうえで必要となる「電源種別ごとの発電コスト」が政府により図1のように推定されています。2030年において原子力コストが最も低いように見えます。これが大問題です。委員会では、この図を公表すること自体の問題に加えて、原子力コストが「極めて高コスト」の電源であることを主張いたしました。


図1:主な電源の発電コスト.JPG

図1:主な電源の発電コスト(2030年モデルプラント)


●下限値のワナ
図の大きな問題は「~」という表記(図2)です。たとえば石炭火力であれば10.3~10.6のように推定の下限と上限が示されていますが、原子力のみ8.9~と下限値しか示していません。後述のとおり、上限はとてつもなく大きな数字となる可能性があるのですが、政府としては「わからない」から下限値のみ示したという理屈です。これも後述する通り、下限値は広域除染や大都市圏損害を見積もらない「過度に低い数字」であり、結果として他の電源に比して棒グラフの長さが一番短くなっているのです。このままでは、国民各層に「やっぱり原子力は一番低コスト」という間違った認識が広がってしまいます。


図2:下限値だけを示す原子力コスト.JPG

図2:下限値だけを示す原子力コスト


●8.9円の間違いを指摘
そこで枝野大臣に向けて、"8.9円~"がいかに問題のある数字であるかを質問したのです。"安価な原発"という強烈なミスリードを生じかねません。8.9円を推定したのは政府のエネルギー・環境会議のコスト等検証委員会であり、昨年末(12/19)に提示した「コスト等検証委員会報告書」(以下、報告書)のなかで公表されました。本報告書のなかで、原子力コストの構成=①資本費(建設費など)+②運転維持費+③核燃サイクル費+④追加的安全対策費+⑤政策経費+⑥事故リスク対応費の6つのコスト構成が示されました。私は、①資本費、②運転維持費、⑤政策経費、⑥事故リスク対応費の4つのコストについて独自の推定を行いました。


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●資本費の間違い
資本費に原発の建設コストが含まれています。報告書では2010年と2030年で国内建設コストに変化がないとされています。(図3)これが大きな間違いです。欧米の事例では単体の原発施設の当初予算が最終的には1.5倍~3倍に膨れ上がっています。(図4)また全米の原発について1970年~2000年の30年間で見ると、1979年のスリーマイル事故以来、安全対策等のために建設コストは上昇を続けています。Cooper氏らによる最近(2010年)の研究です。(図5)日本は3.11を経験したのですから、今後の原発建設コストが上昇すると見るのは当然の推論です。


図3:今後20年間上昇しないという誤った仮定.JPG

図3:今後20年間上昇しないという誤った仮定


図4:原発建設コストの当初と実績.JPG

図4:原発建設コストの当初と実績


図5:全原発(米国)の建設コスト経年変化.JPG

図5:全原発(米国)の建設コスト経年変化


●資本費だけで3.7円の増加
以上のデータに基づいて資本費を再計算しました。直近5つの国内原発(女川3、浜岡5、東通1、志賀2、泊3)の平均建設コストをCooper回帰直線に代入して2030年の建設コストを計算すると1基約7,200億円(120万kW換算)になりました。この結果、1kWhあたりの原子力コストは報告書の2.5円から4.3円へと上昇し、資本費に比例して上昇する運転維持費は3.1円から5.2円へと上昇します。資本費だけで3.7円の増加となりました。
(図6)


図6:資本費および運転維持費の再計算.JPG

図6:資本費および運転維持費の再計算


●政策経費の間違い
政策経費にも問題があります。政策経費には電源立地地域対策交付金が含まれています。報告書は平成23年度予算の1,278億円を用いており、2030年も同額であるとしています。そんな推定は認められません。周知のとおりEPZ(緊急時計画区域)が30kmに改訂されようとしています。原発事故の被害想定範囲を拡大すれば、交付金を受給する関係市町村が増加するのは必至です。確かに交付金の算定式は出力や電力量に依存し、人口とは関係ありませんが、交付金の根拠法である発電用施設周辺地域整備法で「地域住民の福祉の向上」が目的と定められており(図7)、対象はあくまでも住民なのです。また周辺の地域の"周辺"について確たる定義はありません。自治体間で相互に協議して交付金を受給する関係自治体が決められているのです。法定の"周辺"が不定である以上、甚大事故を経て関係自治体が増えるのは自明です。


図7:電源立地地域対策交付金の目的.JPG

図7:電源立地地域対策交付金の目的


●EPZ30kmで2.5倍に
国内54基の原発施設に関して、すでに現在の交付金を受給している市町村の人口とEPZ30km圏内の人口を比較(図8)すると、前者が約330万人で後者が約830万人。約2.5倍となります。したがって交付金は1,278億円に人口比を掛けて3,195億円と推定されます。原発コストとしては0.7円の増加となります。


図8:EPZ30km圏への対象人口の増加.JPG

図8:EPZ30km圏への対象人口の増加


図9:政策経費(立地含む)の再計算.JPG

図9:政策経費(立地含む)の再計算


●事故リスク対応費用の間違い
事故リスク対応費用の推定は最も大きな間違いを含んでいます。報告書はモデルプラントで考えるという前提なのに、なぜか福島第一を前提にして5.8兆円としました。しかも生命・人体損害、広域除染、中間貯蔵・最終処分等という極めて大きなコストを要するリスク要素を"わからないから"という一言で除外しました。いわゆる積算落ちです。だから、8・9円は下限値と呼べるものではありません。"下限値の計算途中"に過ぎないのです。


●ひと桁違う事故リスク
大都市圏影響という観点だけで言えば、福島第一よりも影響の大きな原発を認めざるをえません。琵琶湖を影響圏とする福井県の原発や、東京を影響圏とする浜岡原発であれば、福島第一で推定された5.8兆円ではすみません。実はすでに下図(図10)のような研究があり、原発事故リスクの過小評価に警鐘が鳴らされています。これらの研究から事故リスク対応費用を5.8兆円のひとケタ違いの50兆円と推定しました。これだけで原子力コストは4.1円の増加です。


図10:民間機関、研究者の試算事例.JPG

図10:民間機関、研究者の試算事例


●下限値は報告書の2倍になる
以上を合計して、私の推定原子力コストは政府報告書の約2倍となり、8.9円が17.4円(+8.5円)となります。つまり私の推定では17.4円が下限値なのです。本来ならば核燃サイクルの増額(感度3倍分析および再処理施設そのものの事故・除染を含む)、さらにストレステストで問題となる追加的安全対策費の増額分を勘案しなければなりませんから、"17.4円~"であり、上限は容易に20円に超えるのです。核燃サイクルのバックエンドに割引率を使わない場合は30円代も想定できます。繰り返しますが、決して"8.9円~"ではありません。


●大臣答弁「8.9円はあまり意味をもたない」
以上の原子力コストの推定を示したうえで行った私の質問に対して、枝野大臣から次のような答弁がありました。
(大臣答弁)「(8.9円が)何か中心値や予測値のように巷間言われているとすれば、これは強く否定をしなきゃいけないだろう」
(大臣答弁)「原発の今後のコストが安いということを前提にエネルギー基本計画を立てるつもりは全くありません」
(大臣答弁)「少なくとも原発については、(中略)その最低の線の金額が余り意味をもつものではないというのは、そのとおり」

●大臣答弁「(原発依存度ゼロの)可能性を否定しない」
私は最後に次のように質問しました。
(平質問)「エネルギー政策をゼロベースで見直すうえで、原子力の依存度がゼロから100、すべての可能性があるというふうにお考えか」
(枝野大臣答弁)「最終的にゼロにするのか、依存は限りなくゼロにするけれども若干は残すのか、これは総合エネルギー調査会でもさまざまな御議論があるというふうに承知をしておりますが、(依存度ゼロが)選択肢、可能性のなかにあるのは否定しません」
今回の委員会質問のなかで最も重要な答弁です。「依存度ゼロを否定しない」のです。

●ぜひ映像でご確認ください
国会のリンクで質問の一部始終を見ることができます。30分の質問時間で、最後の5分間では「3歳未満児の放射能に対する食材管理」についても質問しております。原子力政策の今後について政府が何を考え、一人の議員として私がどう考えているかをみなさんにお知らせする重要な国政報告だと思っています。ぜひ一度ご覧ください。

(注意)上のリンクで見えない方は、国会のインターネット中継のホームページからご覧ください。http://www.shugiintv.go.jp/ ※「日本語」をクリックすると画面が変わります。そこで、発言者に「平智之」を入れて「予算委員会第7分科会」の横の模様をクリックすると中継がご覧になれます。

核燃料再処理施設(六ヶ所村)の視察

2012年2月28日 20:40

青森雪.jpg

●昨晩から六ヶ所村へ
一昨日(日曜)は京都市内で国政報告会と街頭演説を行い、そのまま青森に飛びました。大雪で厳寒の青森に夜8時過ぎに到着。空港バスで宿泊予定のホテルに近い停留所へ。ホテルまで通常は徒歩15分だそうですが雪道で半時間ほど歩いて凍えました。

●日本原燃の核燃サイクル事業を視察
昨日(月曜)は朝一番から日本原燃の核燃サイクル事業の施設を視察。この施設は「使用済み燃料の再処理」だけではなく、原料から再処理そしてMOX燃料製造までの7つの事業で構成されています。(1)ウラン濃縮事業(2)低レベル放射性廃棄物埋設事業(3)高レベル放射性廃棄物貯蔵管理事業(4)使用済燃料受け入れ貯蔵事業(5)再処理事業(6)MOX燃料製造事業(7)輸送事業です。

●はじめから終りまで
ウラン(6フッ化ウラン)を輸入して⇒濃縮して⇒燃料製造して⇒使用済みを回収して⇒貯蔵して⇒再処理して⇒MOX燃料製造して、という流れです。まさに、はじめからおわりまでなので、再処理だけではありません。

●年間の予算は約3,000億円
この事業の収入は、私たちの電気代に薄く広く(総括原価方式)載せられている料金の一部が電気事業者を経由して年間で約3,000億円です。排出される使用済み核燃料の重量が基準となって自動的に支払われる仕組みとのことで、税金と同じ構造です。

●核燃料サイクルの可否
私は一貫して核燃料サイクルの妥当性に疑問を投げかけてきました。施設を見て、専門家の説明を聞いても、その疑問は変わりません。六ヶ所の前には東海村の再処理施設も視察しました。東海村よりさらに高度な施設でしたが技術の進歩が説得力になりません。そもそもの考え方に瑕疵があるからです。

●挙証責任を反転へ
最終処分の場所が国内に存在し得ない。ガラス固化体の製造技術が不定。TRU(高濃度放射性廃棄物)の数万年管理がナンセンスなど数多くの疑問。しかし、すべてについて原燃も経産省も「場所がないとは断定できない」「技術的に不可能とは断定できない」という「とは言えない」の構造。「だめだと言うなら証明してみて」と挙証のボールを国民に渡すのです。逆です。挙証責任は原燃と経産省にあります。「ある」「できる」と断定できない限り、「ない」し「できません」。

●しかし再処理以外は極めて重要
再処理への疑問は引き続き追及します。しかし再処理ではなくて最終処分は未来に向けて必須の技術となります。六ヶ所施設の中心はガラス固化体の製造工場ですが、実はガラス固化体製造以外の部分が極めて重要です。

●中間貯蔵と低レベル廃棄物の保管
六ヶ所村には高濃度放射性廃棄物を30~50年貯蔵して崩壊熱を少し冷ます中間貯蔵の施設があります。これがないと地層処分できません。必要な技術です。また地表近くのピットやトレンチで保管する低レベル(と言っても極めて高い)廃棄物の管理技術も必須です。NUMOやランデックとともに、さらなる技術開発を求めていかなければなりません。再処理以外の技術は未来に必要だと考えます。

●汚染を盾に数万年の事業
ただし、必要だと言っても決して夢の技術ではありません。汚染を盾にした脅しの理屈です。「こんなに汚れてるんだから片付けるしかないだろう」という脅しです。似た構造が金融にあります。Too big to fail(大きすぎて潰せない)です。本来なら債務超過で潰れるはずだが、潰したら連鎖倒産等の負の影響が大きすぎて潰せないという事態を指します。東電の実態と同じです。これを原発産業にたとえるとToo dirty to finish(汚染されすぎて終われない)です。最終処分技術の研究開発を止めたら1万数千トン(ウラン重量で見ると広島原爆の数十万発分)もの使用済み核燃料がほったらかしになります。許されないのです。やるしかないのです。それでもまだ汚そうとする(原発を継続して使用済み燃料を出し続ける)のは、さらなる事業量の確保を生み出す意味で、極めて罪深い産業と言わざるを得ません。

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