平智之の活動ブログ

平智之の活動報告

【ご報告】 平智之の報道ウォッチ最終回 2016年10月29日(土)に

2016年10月22日 20:31

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2015年7月4日より放送してまいりました「(京都三条ラジオカフェ」平智之の報道ウォッチ」をいったん終了することといたしました。

そこで前回(10/8)の放送にて本日10/22放送分を最終回とする旨を告知しておりましたが、その最終回の収録が不可能となってしまいました。

そこで最終回を来週10月29日(土)朝6時とさせていただきたく、あらためて告知させていただきます。

これまで本番組をお聞きいただいた皆様への感謝とともに、ここに番組の終了をご報告いたします。

お釈迦さんの「伝えられない」

2016年4月24日 16:19

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平成28年4月21日 大宮東寺道の門前にて

●春雨の弘法さん
本日も弘法さん(2016年4月21日)の日、大宮東寺道の門前に立たせてもらいました。
春の日差しと思いきや春雨。しかし心地良い空気でした。
次のようなお話をさせてもらいました。

●もともと心のなかにある
高校時代の宗教の時間、とても気になることを教わりました。「仏の教え(真理の境地)は、どこか遠くにあるのではなく、最初から君たちの心の中にある」そのことを弘法大師は次の様に表現されたそうです。
『仏法遥かにあらず、心中にして即ち近し』
お葬式でお棺の仏さんが生前には見られなかったほど優しいお顔をされるのを、みなさんもご存じだと思います。意地も恨みも怒りもなくなって、額や目元や口元から緊張がなくなると、もともとのお顔に戻る。仏さんは最初から心中におられたのかなと、ふと感じますね。

●伝えられない、いや伝えて欲しい
また次のことも、とても気になることでした。「お釈迦さまが真理に気付いたとき、こんな微妙なことを人々に"伝えられない"と言われた」と。40年前の高校生当時の私にとって、これは非常に気になりまして、いまでもその時の先生の表情をはっきりと覚えております。それでは、なぜお釈迦さまは布教されたのか。「神が降りてきて、どうか広く伝えて欲しいと何度も頼まれた。それでお釈迦さまは布教の旅を始められた」と。神とは梵天や帝釈天だそうで、この経緯を「梵天勧請」というのだそうです。つまり「伝えるか」「伝えないか」について非常に悩まれたのではないでしょうか。

●世界の宗教のこれから
このようにして始まり、拡がり、根付いてきた仏教がいま日本で危機的な状況にあるとの研究があります。在来仏教では檀家数の減少と住職不在で廃寺が急速に進行しており、また新宗教でもごく一部を除いてその会員数が急減しているとの分析もあります。フランスでは政教分離政策の帰結として、またドイツでも宗教税などの影響でキリスト教徒が減少傾向なのだそうです。また米国も全体としてはキリスト教徒が多数派ですが、白人だけを見ると無宗教や無神論が伸びていると。

(参考情報)
・日本国内7万箇寺のうち今後10年程度で2万箇寺が廃寺のリスクとの分析あり
・フランスでは毎日曜教会へ行くカトリック信者の割合が27%(1952年)から4.5%(2010年)にまで減少との調査あり
・ドイツはドイツ国教会の維持費を税(所得の8~10%程度)で保障
・カリフォルニア州では白人キリスト教徒の割合が25%で少数派とのデータあり


●国王が英国国教会の首長
英国でも国民の7割がキリスト教で、うち6割が国教会だということですが、国教会の教会が少しずつ廃止になりつつある、とのニュースもあります。英国は国王たるエリザベス2世が英国国教会の首長を兼ねていますから、そのような事態は好ましくないとお考えでしょう。そのエリザベス2世の90歳のお誕生日が、今日の弘法さんと同じ4月21日(1926年4月21日)であります。世界の英国連邦の国々でお祝いされていると思いますが、国教会の将来についても、いろいろお考えなのではないでしょうか。

(参考ニュース)
英国⇒国教会では毎年約20カ所程度の教会閉鎖
ドイツ⇒カトリック教会が過去10年間で500教会を閉鎖
オランダ⇒カトリック教会(現在1,600)の3分の2が10年以内に閉鎖予測
フランス⇒カトリック教会が廃止でイスラム寺院に転売された事例、など

●福音派とムスリムの拡大
これからの宗教はどうなっていくのでしょうか。中国では貧しい内陸部から仕事を求めて沿岸部に大量の人々が移動し、そうして都市部に移住した人々の寂しい心の隙間を埋めるようにキリスト教の福音派が拡大しているそうです。一億人規模とも言われます。(『宗教消滅 資本主義は宗教と消滅する』、島田裕巳著、SB新書を参照 )最近、習近平国家主席が「仏教は中国の文化だ」と発言したのは、この福音派の急拡大への配慮も関係していると言われています。ブラジルでも福音派が急拡大しているそうです。またご案内のとおり、大量の移民に揺れる欧州ではイスラム教を信じる人々が拡大しています。

●これからの宗教
縮小するところ、拡大するところ、世界で相半ば。でもよく考えると、この拡大とか縮小とは、何々教とか教団の信者数という形式や数字のお話しですよね。そこでもう一度思い出します。お釈迦さまが「伝えられない」と思われた点です。金銭欲や名誉欲や差別感などにまみれない穏やかな気持ちは、本来私たちが心中にもっていて、だから自分の内面で気付けばいいことだと。もしかするとお釈迦さまは、教団とか形式とか所作などが、そもそも人々の気づきのお手伝いをすべきところ、その維持や拡大を目的としてしまうことに最初から気づいておられたからこそ「伝えられない」と言われたかもしれないと勝手に感じます。もともとご自身が王子でしたから、国家管理の"形式の力"の副作用に敏感だったかもしれません。

●宗教と信仰の並存
組織力や信者数という形式を「宗教」と呼び、個々人の信じる力(あるいは理想の力)を「信仰」と呼ぶとすれば、これから宗教と信仰が並存するかたちで世界の人々に浸透していくのではないか。そこから政治や経済にさまざまは現象がもたらされるかもしれないと、今日はそのようなお話をさせていただきました。また来月参ります。ありがとうございました。

●平智之の報道ウォッチ(ラジオ番組)
2016年4月21日、弘法さんの街頭でお話しした内容の一部をラジオ番組で語りました。
平智之の報道ウォッチ【FM79.7MHz京都三条ラジオカフェ】
2016年4月23日放送分『英国国教会首長の誕生日』
スペインのイスラム化などについても語りました。すこし複雑な内容になりました。

日中韓の光

2016年1月21日 22:31

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本日も弘法さんで街頭に立たせてもらいました。
初弘法でたくさんのお参りでした。

●"くらい"(暗い、冥い)ということ
弘法大師はある書物のなかで次のような内容のことを書かれました。
『何度生まれ変わっても始まりは"くらい"(暗い)し、何度死んでも終わりは"くらい"(冥い)』と。何度輪廻を繰り返しても学ばない私たちのことでしょうか。いったいどういう意味でしょうか。

●知恵(智慧)という光があれば
難しいですよね。いろんな解説があるのですが、そのなかに私にもわかるお話があったのでご紹介したいと思います。『暗闇は光(智慧)をあてると一瞬で消えるのだから実は暗闇などない。実際には暗闇など「ない」のに「ある」とあなたが思うのは迷いや無知だ』


●知恵(智慧)という光
"くらい"というのは私たちがそう思っているだけだと。なるほどと思いました。暗闇があるとなぜかその中に恐ろしいものがいるんじゃないかと怖くなるのですが、実は暗闇など存在しないと知っていれば怖くなくなります。お釈迦さんは「無知だから人は暗闇からいろんな欲をつくり出す」と教えられたのでしょうか。知恵(智慧)という光があれば暗闇など消えさるから欲も出てこないと。

●日中韓のこと
この話はいまのアジア外交にも関係しているかもしれません。日中韓のあいだに暗闇があるとします。その暗闇には「中国も韓国も日本を嫌っているから領土を侵略したいと思っている」という「領土侵犯」という怖い生き物が潜んでいると誰かが言います。そして、それは中国から見ても韓国から見ても同じだとします。暗闇ですから「何かがいるかもしれない」といくらでも言えますよね。光を当てなければなんとでも言えます。

●ファッションや歌や自動車や
しかし実際にはどうでしょうか。中国や韓国の人々は個人的に日本を嫌っているでしょうか。むしろファッションや歌や自動車などで日本に好感を持っている人もたくさんいるのではないでしょうか。そして、それは私たちも同じでしょう。弘法さんをはじめ私たちは中国と韓国からいろんなものを貰ってきたのでしょうね。日中韓がお互いにそうならば警戒心は過剰かもしれません。まさに暗闇と無知の仕業かもしれません。だとすると日中韓に知恵という光があれば暗闇は一瞬で消えます。

●今こそ弘法さんの言葉を
ギリシャ経済危機とEU、ISとシリア、集団的自衛権と米国リバランス政策など、昨今の世界の流れを見るにつけ、今こそ弘法さんの言葉を噛みしめたいと思います。そんな思いで本日この場所に立たせていただきました。有難うございました。

社会に献身する力

2015年12月22日 00:02

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雨のなかお参り有難うございます。
本日(2015年12月21日)もまた弘法さんでお話をさせていただきます。

●弘法大師の技術力
今日は弘法大師が非常に優秀な技術者であったという点に注目したいと思います。「社会に献身せよ」という教えがありますが、いくら社会に献身したいと思っても、それだけでは想いのままです。しかし弘法大師は社会に献身するための高い技術力を持っていたというお話をさせていただきます。

●満濃池の工期短縮
よく聞く逸話に、弘法さんが杖を突いたらそこから水が溢れてきて、それが満濃池になったのだというものがあります。もちろん現実はそうではありません。決壊した満濃池の堤防の改修工事が非常に難工事で、工期が遅れに遅れていたところ、ピンチヒッターで派遣された弘法大師が大幅に工期を短縮したということだそうです。

●ごり押しする力
この際、工期短縮するには設計変更が必要だったはずです。つまり、先に派遣されていた技術系官僚の工法などを変更しているはずなのです。難工事でこのような設計変更をするには高い技術力と現場仕込みの喧嘩腰も必要でしょう。元の設計者を説得することになりますから現場にものすごい軋轢が生まれるからです。でも弘法大師はごり押しして、それをやり遂げたのだろうと思います。それくらい有無を言わせぬ技術力があっただろうし、結果に責任を取る覚悟もあったでしょう。もう一度決壊したら終わりですから。

中退して荒行しながら科学を修める
平安時代最初の遣唐使船で中国に渡り、多くの経典と教えを持ち帰られた弘法大師は、同時に大変な技術者でもあったということになります。しかし、いったいどこでそんな能力を。もちろん唐での見聞もあったでしょうが、私はそれよりも青年として仏教の教えに目覚めてエリート養成学校を中退した後にその秘密があると思います。若いころに学校を中退して山に籠った謎の数年間があるという説です。この説によれば、弘法大師は山中で荒行をしながら中国語と鉱物学を学んでいます。中国語は今でいえば英語であり、鉱物学は今でいえば地球科学です。ものすごく体力を消耗する山中の荒行の最中に最先端の言葉と科学を習得する20代の弘法大師の努力は計り知れません。(まるでオリンピック選手の鍛錬をしながら最先端科学を修めるようなものではないか)そんな弘法大師だからこそ平安時代初期の多くの難問を解決されたのだろうと推察します。

●社会に献身する力とは
私たちには今どんな力が必要なのでしょうか。「賛成のための賛成」「反対のための反対」では言葉ばかりが踊って問題は蚊帳の外。反対すればいいというものではない。弘法大師がなぜ数々の難問を解決できたのか。それはまず正面から難問と向き合ったからだろう。賛否などする前にとにかく解決に向かったからだろう。そしてその解決力を蓄えていたからだろう。そう思います。社会に献身する力について、もう一度はじめから自分を見つめなおさなければ。

TPPと中国について

2015年10月22日 15:57

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2015年10月21日弘法さんの日。東寺東門前で。


10月21日(水)、雲一つない秋空の下、弘法さんにお参りの大勢の皆さん。
東寺東門前の街頭でお話をさせてもらった。

●農産品も80%以上の関税撤廃へ
毎日のようにTPPのニュースを見る。年限を決めて、工業産品は100%、農産品は80%以上の品目で関税撤廃に向うという合意との報道だ。まだ現状では政府間の合意に過ぎないから各国が議会で可決しないと発効はしない。日本でも米国でも議会で紛糾するだろう。国内の生産者や労働者を守れるかどうか(そういう制度と予算がつくれるか?)で紛糾するだろうが、可決する可能性も十分にある。

●期待と心配が相半ば
TPPは生活費に直接影響するだろう。海外の安い野菜やお肉が入ってくる。でも品質の問題は大丈夫だろうか。日本の高級食材が輸出しやすくなる。たとえば京野菜は海外で高く売れるだろうか。

(捕捉)2017年4月の10%消費増税の際に軽減税率で食品を減税し、なおかつ外国産で食材が安くなったらTPPメリットが二重に目立つという計算があるかもしれない。

●オバマ大統領の言葉
1点だけ私の意見を述べておきたい。あるメディアが「これで中国包囲網が完成した」という主旨の記事を掲載したと聞いたが日本の通商外交戦術として包囲網にメリットがあるだろうか。確かにTPP加盟国の政府間妥結直後にオバマ大統領が「ビジネスのルールづくりが中国主導で進められることを許すわけにはいかない」という主旨の発言をしたとの報道がある。しかしそれはイコール「中国の孤立化政策」を意味しない。中国主導ではない太平洋アジア交易圏が誕生するならば、そこに中国を迎えてもオバマ大統領の発言と矛盾しない。

●シナリオ比較という定石を
好き嫌いではなく、いくつかのシナリオを比較するのは定石だ。来年中にもしTPPが発効するならば、中国にも参加してもらえるように日本が交渉の労をとるのが東アジアにとって有益となる可能性も検討してはどうか。さらに、もともと日本政府が進めてきたASEAN+6(日、中、韓、豪、NZ、印)に則って韓国にもインドにも参加のアピールをしていくのはどうか。ところで私はアジア太平洋経済圏の構築には賛成だが、その方法はTPPよりもASEAN+6から米国にも参加を求めていく方が有益だと思っている。

●弘法さんがおられたら
平安時代最初の遣唐使船で中国に渡って真言密教の極意を会得された弘法大師が、もしいまこの場に立っておられたら中国と日本のこれからについてどのようなお考えをお話になるだろうか。そんな思いを胸に、今日は弘法さんにお参りの皆さんに「TPPと中国」のお話をさせていただきました。

8/21弘法さん街頭演説 「安保関連法案と人々の心」

2015年8月23日 16:48

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平成27年8月21日(金)九条大宮交差点にて


毎月21日は弘法さんでの街頭演説。
平成27年8月21日、東門と大宮九条(上写真)で次のような話をさせてもらった。

●阿弥陀さんもお不動さんも
曼荼羅のまんなかに大日如来がおられる。弘法さんは、すべての仏さんは大日如来が姿をかえたものだとされた。お釈迦さんも、阿弥陀さんも、お薬師さんも、お不動さんも、優しい仏さんから憤怒の仏さんまで、すべて"真理そのもの"である大日如来のひとつの姿だとされた。慈しみの心も怒りの心も真理に至る入り口のひとつひとつだと言われたのだろうか。

●安保関連法案の賛成と反対
安保関連法案について想う。安保関連法案に賛成する側からは反対する側が"現実を直視できない人々"に見え、安保関連法案に反対する側からは賛成する側が"戦争をしたい人々"に見えている。

●賛成も反対も同じ心が姿を変えたもの
弘法さんなら、このような人々の心の状況をどのようにお考えになるだろうか。もしかすると賛成派も反対派も「おなじ心が姿を変えたもの」といわれるのではないか。 誰も戦争で家族や幼なじみやふるさとを"失いたい""奪いたい"とは思わないだろう。"失いたくない"が恐れの心を、"奪いたくない"が祈りの心を生むけれども、まんなかは同じだと。

●"失わない" "奪わない"ために
いま大切なのは、両派とも共通してまんなかに持っている"失わない" "奪わない"理想のためにどうしたらいいかを具体的に話し合うことだろう。まんなかはひとつ(同じ)だとお互いに了解し合わないと具体的な議論ができない。なぜなら"相手を叩きたいだけ"で言葉じりや過去の資料などで枝葉末節の議論に終始するから。批判の牙をむかないで国民全体でこれからの話ができないか。国会の議論はそのお手伝いをすることに尽きると思う。

(追記)先月7/21の弘法さんでの体験。いくつかの話題のなかで安保関連法案の話をしたところ、お参りの方から声をかけられた。「あなたは先ほどから"戦争法案、戦争法案"と言うが、その考え方がおかしい。」と。しかし私は"戦争法案"という言葉を使ったことがない。きっとその方は日頃から戦争法案という言葉に反意があって、私の演説中にその言葉を創作されたかと思う。私が話していることより、どう聞こえているかが、聞いている人にとっての私の話だ。自分も同じことをしているかもしれない。決めつけないで話し合ってみないとわからない。

自治体を1万に分割したらどうなるか?

2015年4月21日 15:51

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4/11(土)にツイキャス中継を行った。
中継日が統一地方選挙(前半戦)の投開票日前日だったので、遅ればせながらいま内容を報告する。動画は以下。

    動画1はこちら     動画2はこちら

●基礎自治体が大き過ぎる?
テーマは「地方自治体を1万に分割したらどうなるか?」とした。現在約1,700ある基礎自治体(市町村等の最小単位の自治体。以下、単に自治体とする。)の数を5倍以上にするとどうなるか?という問になる。この問いの根っこにはいろんな思いがあるが、ひとつには統一地方選への関心の低さがある。事実、投票率は最低を更新し続けている。生活者が「自治」ということに関心を持たない。自治が身近に感じられないのは自治体が大きすぎるからかもしれない。

●欧州では日本の学区規模が基礎自治体
欧米諸国の基礎自治体の数と人口(2000年前後)は以下のとおり。
・ドイツ⇒ ゲマインデ 約12,000 / 約8,000万人
・フランス⇒ コミューン 約37,000 / 約6,600万人
・アメリカ⇒ シティー等 約20,000 / 約2億人
平均すると欧州は概ね5千人くらいが基礎自治体の人口規模になっている。イングランドのパリッシュも数千人の規模だ。これは日本ならば1学区くらいの規模。ご想像いただきたい。ひとつの学区くらいの大きさがひとつの自治体ならどうなるか?一人住まいの高齢者への配慮、子供の通学路への配慮、道路の陥没補修や信号の敷設など、生活面への政治関与がより行き届いて丁寧になるのは想像しやすい。

●普通の生活者が自治体議員
欧州自治体の実態調査(岡部一明氏)によれば、たとえばドイツの地方部のゲマインデ(基礎自治体)では、村議は村長を含めて7人で年4、5回集まるだけ。それで村道の維持管理、墓や森の管理、街灯、消防、スポーツクラブなどの運営に責任を持つ。給与はないし村役場も不要。既設のコミュニティー・センターで村議会を開く。村長の家に全部書類がおいてあって村の人たちとは村に一軒ある飲み屋でよく議論をする。普通の生活者が村政をみんなで担っているという感じで、まさに自治ではないか。これも規模が小さいからできることだろう。

●日本の自治体の規模は平均7~8万人
ひるがえって日本の自治体は約1億2千万人が約1,700の自治体に住んでいるから、1自治体あたり平均7~8万人となる。大きな自治体である政令市や特別区が100万人規模となるのはご案内のとおりだ。そこでは当然、職業政治家により構成される議会も自治体職員も外郭団体なども用意される。この規模になると自治体議員もご近所さん付き合いとはいかないし市長にすぐに声が届くとは思いにくい。だから生活者からすれば自治というよりは"お任せ感覚"で行政サービスの量と質への期待が中心になるのは理解できる。もちろん多くの大きな自治体でもきめ細やかな素晴らしい行政が実現されているが、少なくとも生活者の自治意識は自治体の大きさと反比例して低下する傾向にあるのではないか。実際、大きな自治体ほど投票率が下がる傾向があるように思うが、どうだろうか。

●自治体と行政組織は別
ちなみにアメリカは基礎自治体あたり平均1万人で欧州より大きいが、要注意なのはアメリカ国土の多くは自治体になっておらず、自治体ではない地域に住む国民が1億人以上存在する。私たちにはわかりにくいが、アメリカでは住民の発意を元に各州の憲法に基づいて自治体が編成されるので発意がない地域は自治体にならない。しかし米国土は原則カウンティ(郡)という行政組織に分割されているので、たとえ自治体がなくても地域の警察もあるし住民サービスもある。自治体ではないだけだ。そんな地域に住む人が1億人以上いる。だから自治体に住む人はそれが自治体だとわかって住むので、欧州よりも大きい1万人という規模でも自治意識が醸成しやすいということもあるだろう。

●グローバル経済と見回り保守の経済
グローバル経済は金融と製造業等で今後とも進化していくだろう。だから"わたしたち"という感覚でもっとも大きな単位である"国"が重要な役割を担うのは必至だ。市場の失敗を国同士の交渉のなかで抑制しなければならない。一方で、"わたしたち"という感覚でもっとも小さな単位である町内会や自治会や学区などには、一人住まい高齢者の安否確認、子供の遊び場・通学路の安全確保、道路や水道やガス等の生活インフラの整備・補修など、"見回り保守"の重要性がますます高まるだろう。その最小単位を現在の特殊な地縁組織から自治体とすれば自治意識がさらに高まるのではないだろうか。グローバル経済と見回り保守の経済を並存させる感覚だ。ちなみに見回り保守の分野がまだまだ未開拓の新しい産業分野であることを私は疑わない。

とにかく教育(第2回)~反知性主義と民主主義教育~の報告

2015年4月 5日 01:20

とにかく教育(第二回).jpg

●本日の動画
本日4/4、平智之講演会「とにかく教育」(第2回)~反知性主義と民主主義教育を開催した。動画は以下。(2つに分かれている)

動画(その1)
動画(その2)

●3つの質問で90分の議論
次の3つの質問について90分の充実した議論だった。
・政府の暴走と世論の追随が先の大戦前と酷似しており大変心配だ Yes / No
・教育現場で教師が民主主義と政治を教えることは極めて重要だ Yes / No
・民主主義を取り戻すために象徴的な政治家や思想家のリーダーが日本にも必要だ Yes / No

●活発な意見交換
以下は議論の一部抜粋。
・先の大戦とは社会環境が異なるので同じように戦争が起こると思わない
・いや、社会への無関心層が戦争礼賛になる可能性が戦前よりも危ない
・教師には教育現場での民主主義の教育を大いに期待する
・いや、いまの教師は管理されているので政府の立場を代弁してしまう危険性がある
・社会の変革には政治家や思想家のリーダーは必要だと思う
・いや、リーダーに依存するのは効果的なようでむしろ危険だ

●反対運動が注意すべきこと
賛否両論の活発な意見交換となった。私から1点次のような問題提起をした。

たとえば原発、集団的自衛権、TPP、特定秘密の問題について「反対だと思っているが反対運動には参加しない人々」(多数派)から「反対運動」(少数派)が特殊な集団だと見なされる危険性に注意しておく必要がある。しばしば反対運動が「反対ありき」の運動に見えるので「反対運動しない多数派」はとても近づき難い。議論が拒絶されているように見えるからだ。多数派が近づかなければその反対運動は政治に接続しない。民主主義にとって大切な反対意見が無為となってしまう。運動と政治が異なるという点は決定的に重要だ。(賛成であれ反対であれ)民主主義には技術がある。その技術も民主主義の実践的な教育の対象ではないか。

以上の議論は拙著「なぜ少数派に政治が動かされるのか?」(ディスカヴァー携書)もご参照いただきたい。とにかく教育(第3回)も予定している。

ピケティとベーシックインカム

2015年3月11日 01:14

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2015年3月10日、東京下北沢スタジオベイドにて

●動画はこちら
本日(2015年3月10日)下北沢で『トマ・ピケティの累進課税はベーシックインカムの財源になりえるか?』という討論イベントを開催した。

注)動画は4/5まで公開しましたが皆さんにも会場に来ていただきたいので今後は一部中継のみとさせていただきます。


●意見交換の場
会場いっぱいのご参加をいただき、非常に活発な意見交換の場となった。私も準備で随分調べていったのだけれど、会場の沸騰するような意見交換のなかで、ベーシックインカムについてもトマ・ピケティについても教えてもらうことがたくさんあった。

●スライドを公開するのでお仲間で意見交換を
賛成のありき、反対ありきの集まりではなく、しかし、自由に賛成や反対や、そして素朴な質問ができる場がいま必要だとつくづく思う。そこで本日使用したスライドを公開するのでご利用いただきたい。皆さんのお仲間で意見交換していただきたい。
スライドのpdfファイル⇒BIとトマ・ピケティ_平智之.pdf

●次回は4/14同じ場所で
4回目の3.11の前日にその場づくりをはじめることができた。本日お集まりのすべての皆さんに感謝する。次回は4/14(火)19:30~、同じ場所(下北沢スタジオベイド)。

選挙車に乗って(ボランティアさんのレポート)

2014年12月11日 01:17

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選挙戦9日目、2014年12月10日の街頭演説


12月10日、夕方から、平智之さんの街宣活動に参加した。今日走る場所は、主に南区。洛南高校で青春時代を過ごした平さんのホームグランドだ。「私に残された選挙活動もあとわずか。一軒、一軒のお家に訴えるつもりでまわります!」気合いは充分だ。
ライトアップした東寺の美しさに思わず息をのむ。おでんやクリームシチュー、夕げの香りが漂う中を、狭い路地をゆっくりと進んでいった。
「平智之、無所属で立候補しています!この選挙は、アベノミクスが争点ではありません。日本が戦争に突き進むのか、戦争を止めることができるのかが問われているのです。
私たちの力で、止めようではありませんか!」気迫がこもった演説に、道行く多くの人が手を振ってくれる。そして選挙カーが小さな商店街に入っていったとき、たくさんの温かい声援に迎えられた。お店のシャッターを開けて、ご夫婦で待っていてくれた魚屋さん。「がんばって!」と、手を振ってくれたおだんご屋のおかみさん。「平、ええぞ!頑張りや!」と、大きなガッツポーズをしてくれたおじさん。2階の窓から「平さん、応援してま~す!」と叫びながら手を振ってくれたのは、二人の若者だ。「平くん、平くんに1票入れてきたからね」と、買い物帰りの支援者が語りかけたとき「ありがとう、ほんまにありがとうございます!」と、平さんは感極まって涙ぐんだ。
 「今日は、別のルートを走ろうと思っていたのです。でも、誰かが待ってくれているような気がして、引き返しました。そしたら、あのおやじさんが店の前で待ってくれていた。選挙では、ときおりこのような不思議なことが起こります」。
 最初の街宣では、1枚も受け取ってもらえなかった平さんのチラシ。今日は、ほんの数枚だけど受け取ってもらえた。じーっとお話しに聞き入っていた女性。「平くんに、頑張ってって伝えておいてね」と、笑顔で立ち去った。自転車を止めてチラシを受け取ってくれた女性からは「平さんは、今どこに所属しているのですか?」と問いかけられた。「平は現在無党派で立候補しています。国会議員になった暁には、超党派で頑張らせていただきますので、どうかご支援をよろしくお願いします」と答えると「了解」と、うなづいてくれた。私もスタッフとして、少しは成長できただろうか?
 「お母さん、邪魔してごめんなさいね。どうぞ先に行ってください」「お父さん、お仕事ご苦労さまでした」「ワンちゃん、びっくりさせてごめんなさい」。演説の最中にも、道行く人への気配りを欠かさなかった。明晰な頭脳と強い信念、そして優しい心を持った平さん。政治家として、これ以上にふさわしい人がいるだろうか。このような人に国政を担ってもらいたいと心から思った。
 「選挙では、ときおり不思議なことが起こります」と、平さんは言った。私たちは、あといくつのドラマに遭遇するのだろう。それは誰にもわからないけれど、無我夢中で走り続けていこう。ただひたすら、勝利を信じながら......。

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